揉んでやせる! 理学療法士考案「ミオドレマッサージ」の威力

痩せたければ運動はむしろしなくていい?
痩せたければ運動はむしろしなくていい?(C)日刊ゲンダイ

 運動したくないが「やせたい」「お腹をへこませたい」という人は、「ミオドレマッサージ」をやってみてはどうか? 「ソリデンテ南青山」の小野晴康院長が理学療法士としての長年の経験から考案。「ミオ」はラテン語で筋肉、「ドレ」は老廃物の排出を意味するドレナージのことだ。

 減量には激しい運動が必要だと思っている人が圧倒的多数だろう。しかし、小野氏は異を唱える。

「筋トレや運動では、同じ場所の筋肉ばかりが鍛えられるので、筋肉が太く硬くなって動きが悪くなり、脂肪燃焼もしにくくなります。筋肉の周りの血液やリンパの流れも悪化し、老廃物をため込みやすくなるのです」

 やせたいなら、むしろ運動しない方がいい。するとしても、ストレッチや軽いウオーキング程度で十分――。これが、小野氏の経験から得た“新ダイエット理論”だ。

「やせたい人に必要なのは、筋肉を柔らかくすること。体の動きに合わせて柔軟に動く方が、筋肉の運動量が増えて脂肪が燃えやすくなります。老廃物も排出されやすくなり、むくみや凝りも起こりにくい。これが、ミオドレマッサージの考えです」

 特に中高年は、筋肉を柔らかくすることに一層努めるべき。年を取ると筋肉量の低下に伴って男性ホルモンも減少し、動きが悪くなる。筋肉の硬さに拍車が掛かり、脂肪が蓄積しやすくなるのだ。

 最もシンプルな方法は、筋肉の走行に沿って、手で強くさすったり揉んだりすること。滑りをよくするために、市販のマッサージ用オイルを塗るとベター。たとえばお腹をへこませたいなら、脇から胸に向かって、また肋骨の一番下の骨の脇からヘソに向かって、強くさする。脇腹の肉を強く揉む。たったこれだけ。

「ミオドレをやったことがない人は、筋肉がこわばっているので、最初は痛みでイタタタッと声が出るでしょう。でも、それを我慢して続けると、次第に心地良くなります」

■自分が想像する20倍の強さで

 7つのくぼみを強く押す方法もいい。「あごの下」「鎖骨」「脇の下」「みぞおち」「お尻のえくぼ」「そけい部」「ひざ裏」だ。

「筋肉は、関節をまたいで“始点”と“終点”が骨に固定され、伸び縮みしています。7つのくぼみには、多くの筋肉の始点と終点が集まっていて、刺激することで、筋肉全体のこわばりが取れて、緩みやすくなります」

 両手でくぼみをギュウッと強く押して(場所によってはつかむ)、筋肉の走行に沿って強くこする。

 記者(女・40)は週1~2回の筋トレと、週1~2回のジョギングをノルマにしている。その割に下腹がへこまない。小野氏の話を聞き、まずはプロの技を体験するため、「ソリデンテ南青山」(女性限定)に3回通うことに。

「筋トレとジョギングのせいで筋肉が硬い。柔らかくするには最初、相当痛いかも」と釘を刺されていたが、想像を絶する痛み。施術中、うめきっ放しだった。ところが終わると、運動後のようにスッキリし、体が軽い。3回終えたら、下腹がへこんだのか、きつかったパンツが少し緩くなった。この間、筋トレとジョギングはしていない。

 経験からわかったこと! 「強めにする」というのは、自分が想像している強さの「×20倍」と考えるべき。それくらい強くしないと、ミオドレマッサージ未経験の筋肉は柔らかくなりにくい。しかし、やっただけの見返りはあるはずなので、ぜひトライを。

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