「二日酔いの朝はシジミ汁に限る」という人も多いのではないだろうか。
日本有数のシジミの産地として知られる青森県の十三湖の漁師たちは、ちょっと変わった食べ方をしている。それが“焼きシジミ”だ。
まず、シジミの砂出しをする。次に軽く水洗いした後、魚用のグリルにのせて焼く。シジミの口が開いたら、醤油などで味付けして出来上がり。七輪で焼くのもお勧めだ。
数年前、十三湖を訪れたとき、地元の会社員の森和明さんから焼きシジミのことを教わった。
「十三湖のシジミは粒が大きく、食べ応えがあります。寒さが厳しいところで育ったせいか、うま味も凝縮されていて、たまりません」
シジミは栄養価も高く、特に肝臓によい食材として認知度が高い。オルニチンやタウリンを豊富に含むからだ。
オルニチンは肝臓で有害物質のアンモニアが解毒されるのを助けたり、アルコール摂取による疲労感を抑制したりしてくれる。
タウリンはアルコールの分解を助けて肝臓の負担を軽減するほか、肝臓内の中性脂肪を取り除く作用も期待できる。
ただ、肝炎の人は要注意だ。シジミは鉄分が多く、それが肝臓を酸化させるなどの悪事を働きかねないので、食べすぎには気をつけたい。
もちろん、健康な人は問題ない。二日酔い対策などで、焼きシジミを肴に飲めば、肝臓に栄養素が染み渡るはずだ。
(健康ライター・宮岸洋明)
真似したい伝承療法