地域おこしにより、日本全国でさまざまなものが生産されている。
その中でも、桑の実の果汁をグミにした“マルベリーグミ”がおいしく、健康維持にも役立つと評判を呼んでいる。ちなみにマルベリーとは、桑の実のことだ。
マルベリーグミが生まれた島根県江津市桜江町は戦前、養蚕業が盛んだった。蚕は桑の葉を餌とするため、同町では桑の栽培も盛んに行われていた。しかし戦後、化学繊維の普及により養蚕業は衰退し、桑の木だけが残ってしまったのだ。この桑の木をもう一度利用できないかと考え、その果汁をグミにしたのが、「Feセンス」の松崎みゆきさんだ。
「桑の実の果汁には鉄やカルシウム、カリウムなどのミネラルやポリフェノールが含まれています。こうした栄養素をできるだけ詰め込むため、果汁を5倍に濃縮してグミを作りました」
現代人は慢性的にミネラル不足といわれる。その影響で健康に不具合が出ることも否めない。
また、ポリフェノールは、体内で過剰に発生すると細胞に障害を与える活性酸素(毒性の強い酸素)の悪事を抑える効果が期待できる。
もちろん、小さな粒のマルベリーグミに含まれるミネラルやポリフェノールは必要十分量ではない。だが、健康のために栄養素をちょっと補給したいときにはいいだろう。
マルベリーグミが誕生してまだ1年だが、島根県の伝承スイーツとして成長していきそうだ。
(健康ライター・宮岸洋明)
真似したい伝承療法