家計簿を見れば病気がわかる

寿司好きの栃木県民の中性脂肪は?

(C)日刊ゲンダイ

 前回、ハンバーガーを取り上げましたが、外食におけるハンバーガーは、実は脇役のひとつに過ぎません。家計調査によれば、1世帯当たりの外食費(全国平均)は、年間約13万円(ただし飲み代や喫茶代を除く)。ハンバーガーはそのうちの約4000円止まりです。主役は和食(約2万2000円)、次いで寿司(約1万4000円)となっています。ただ和食といっても広すぎますし、詳細までは集計されていません。そこで今回は、“準主役”の寿司にスポットを当ててみたいと思います。

 回転寿司の普及もあり、寿司は根強い人気を保っています。低カロリーですし、魚に含まれている脂肪分は、血液の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)を減らす作用があるといわれているため、ヘルシーな外食としても支持を集めています。

 寿司への出費が一番多いのは、意外にも栃木です。1世帯当たり年間2万円以上をつぎ込んでいます。また2位には岐阜が入っており、〈表〉には載っていませんが、山梨が7位、長野が11位など、「海なし県」が目立っています。近年は鮮魚の輸送技術も向上していますから、内陸部といえども、新鮮でおいしい魚が手に入るのでしょう。一方、最下位は沖縄です。沖縄も含めた温暖な県では、海に面しているにもかかわらず、総じて寿司に人気が集まらないようです。あるいは、もっとおいしい食べ方を知っているのかもしれません。

 しかし残念ながら、寿司好きだから中性脂肪が低いということはなさそうです。〈表〉にはメタボ健診で中性脂肪が150以上の人、LDLが140以上の人の割合(50代前半男性)を載せましたが、これといった傾向は見られません。外食の準主役といっても、食べる機会はそう多くないので、中性脂肪やLDLに大きく影響を与えるまでには至らないのかもしれません。それにいくらヘルシーといっても、回転寿司などで大量に食べればカロリーの取り過ぎにつながります。寿司飯には、塩分もかなり入っています。

 寿司の欠点は、野菜がほとんど取れないことです。かっぱ巻きのキュウリとガリだけでは、まったく足りていません。寿司屋に行ったら、野菜類も意識して頼むようにしてください。