病院は本日も大騒ぎ

すぐに入院したければ誰に頼めばいいのか?

 こんにちは、首都圏の総合病院で看護師長を務めている看護師歴十数年のサトミです。

「身内が急に病気になった」「どうしても○×病院に入院したい」という場合、誰に頼むとすぐに入院が可能なのでしょうか。患者さんやその家族の皆さんからよく聞かれます。そのお答えをする前にまず、病院の原則から申しあげましょう。

 初診者でも救急車で搬送され、緊急の治療と入院が必要な患者さんは、特別な事情(治療する専門医が不在。空きベッドがない等)がない限り、治療・入院はどなたでも可能です。

 これは医師法(第19条1項)によって、診療拒否が出来ないからです。

 では、「がん」の患者さんが、他の病院で手術を希望した場合はどうでしょうか。「がん」と診断され、治療を受けていた病院から他の病院に移るという場合、治療していた病院医師の紹介状とともに、「選定療養費」(約5000円の負担)が必要になります。

 病院医師の「紹介状」はないが、厚労省から「特定機能病院」(高度医療を持つ大学病院など)に指定されている病院で治療や手術を受けたいときはどうでしょう? 「特定医療費」(約8000円強)が追加されます。これは再検査の費用と考えてください。

 こうした原則のほか、入院手配がスムーズにいく一番は、「コネ」でしょうか。医師の社会にも同じ大学の出身や先輩、後輩という強い絆があります。そうしたルートを使って、それまで治療を受けていた医師から、希望する病院の病院長や同じ病気治療の担当医師を紹介してもらうのです。

 一般的に病院では医師以上に看護師が力を持っていますが、「頼み事をして“弱み”を握られたくない」という人が多いので、お勧めできません。事務方も力はありませんね。

 皆さんは意外に思われることかもしれませんが、救急車で国立病院や大学病院で一度でも治療を受けた経験があると、かなり有利になります。ただし、このときの「診察券」を保存しておくことが大切です。診察窓口で、「以前に当病院で治療を受けたことがあります」と言って診察券を見せると、“お得意さま扱い”されることがあるのです。

 ただし、最初の診察日からあまりにも離れていますと、初診者扱いになりますから注意してください。