病院は本日も大騒ぎ

病院への寄付 「現金」だけでなく「絵画」「写真」「本」も

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは、首都圏の総合病院で、看護師長を務めている看護師歴十数年のサトミです。

 私たち看護師は患者さんやご家族からお礼の意味でいろいろな貢ぎ物をいただくことがあります。

 お菓子など食べ物が多いのですが、看護師は原則、患者さんからまんじゅうを1ついただいても、病院の総婦長など責任者に報告をしなければなりません。医師はわかりませんけど(笑い)。

 また、患者さんやそのご家族から、担当医師が個人的に寄付(謝礼の意味が大きい)を受ける行為は別にして、病院に寄付名目の現金を寄贈された場合は、喜んで受けます。もちろん病院は領収書を発行し、経理上できっちりと処理します。とはいえ、患者さんによるこうした「現金」での「寄付」は、一般の病院ではそれほど多いケースではありません。

 ただし、大きな病院に行くと、正面玄関の入り口付近に、多くの車椅子が用意されているのを見かけたことがあるかと思います。

 その背シートを見てみると、「○○様からの寄贈」と明記されています。退院する患者さんやご家族が、車椅子を寄贈してくれるのです。

 また、病棟の廊下や談話室などに飾られている、「花瓶」「絵画」「写真」にも、「○○様からの寄贈」と明記されているものがあります。

 寄贈といっていいのかは分かりませんが、意外に多いのが本や雑誌類です。長期入院している患者さんは、時間を潰すためによく本を読んでいます。読み終えた本を退院時に、「談話室」に置いていくのです。

 週刊誌や月刊誌を定期購読している患者さんも、読み終えると「談話室」の書棚やテーブルに置きます。すると10分もしないうちに、もう全部消えています。他の患者さんが病室に持っていくのでしょう。

 国立を除くほとんどの病院は、ぎりぎりの経営です。もちろん患者さんに強要などはしませんが、どんな「寄付」でもありがたいものなのです。