意外と知られていないが、鹿児島県の緑茶の生産量は多く、静岡県に次いで全国2位。特に南九州市の知覧は緑茶の栽培が古くから盛んだ。
その知覧の中でも、北部に位置する後岳(うしろだけ)と呼ばれる地域で生産されたものは「奥知覧茶」と呼ばれ、重宝されている。
高地にある後岳地区は気温の寒暖差も大きく、緑茶にとっては過酷な環境。しかし、それに耐え抜いて育った奥知覧茶は香りやうま味が格別だと評判はすこぶる良い。
鹿児島県出身の会社員、広瀬俊一さんも、その味に太鼓判を押す。
「奥深い味わいでコクもあり、心まで満足させてくれます。食後の一杯は欠かせません」
緑茶の国内消費量は年々減少傾向にあるが、栄養価が高いだけに見直してもらいたい。
緑茶の代表的な成分といえば、カテキンだ。カテキンはポリフェノールの一種で、免疫力を強化し、体を守る働きがある。糖分の吸収を抑制し、血糖値の上昇を防ぐ作用も期待されている。
テアニンは緑茶に含まれるアミノ酸の一種のうま味成分。リラックス効果をもたらし、副交感神経が優位になりやすいことから、血圧のコントロールにも役立ちそうだ。
日本人に不足しがちなビタミンCも豊富に含まれている。ビタミンCは熱に弱いといわれているが、緑茶は例外。緑茶のビタミンCは熱に強く、安定しているのが特徴だ。
食後においしい奥知覧茶を飲むようにすれば、体もリセットできそうだ。
真似したい伝承療法