「牛乳は健康に良い」という意見がある一方で、「牛乳は健康に悪い」という意見も最近はよく聞かれます。一体どちらが正しいのでしょうか?
牛乳には乳糖が含まれています。この乳糖は人間の乳糖分解酵素によって、ブドウ糖とガラクトースという2種類の糖に分解され、その後に体に吸収されます。そして、このガラクトースには「動物実験では老化を促進する」という複数の報告があるのです。
2014年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という医学誌に、スウェーデンでの10万人以上の調査の結果として、「牛乳をたくさん飲む人ほど、特に女性では死亡リスクが増加する」というショッキングな結果が報告されています。つまり、人間においても牛乳は健康に悪い可能性があるのです。
その一方で、ヨーグルトやチーズのような発酵食品については、「おおむね健康に良い」という結果が報告されていて、最近では「動物実験でカマンベールチーズが認知症を予防した」という研究が注目されました。
赤ちゃんの時期には、成長促進のためにガラクトースが必要であり、そのため生乳は健康に良い。しかし、大人になるとむしろあまり取らない方が、健康のためには良い。そう考えると、つじつまが合うような気がします。
ただ、ヨーグルトやチーズは生乳とは別個に考えるべきで、健康に良い食品である可能性が高いのです。
医者も知らない医学の新常識