病院は本日も大騒ぎ

「うつ病」看護師の苦しみ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 関東圏の総合病院に勤め、看護師歴18年になるユミコです。

 病院での勤務中はいつも笑顔ですが、今回は、患者さんが目につかない看護師の大変さを少し聞いてください。

 私たちのような民間の大病院では、「医は仁術」とばかりは言っていられません。経営がかかっていますので、「算術」も大切です。そのため、疾患別の病棟であっても、入院患者を入れるだけ入れます。オペ(手術)患者も同じで、できる限り患者さんを増やそうとします。その分、看護師の勤務体制はハードになります。

 若い看護師は、半分戦力外な面もあるので辞めることができますが、中核になる私のような看護師は辞めるに辞められない状態です。かなり無理をするので、それで病気になったり、疲労を重ねて結局は辞めていく看護師が少なくありません。

 実は私、うつ病の症状があります。正直、病院に行きたくないし、よく眠れません。わけもなく涙が流れたり、患者の顔を見るのもイヤになることもあります。

 そういうとき、必ずと言っていいほどトラブルが起こります。患者さんから頼まれごとをされても、なかなか体が動かず、後で「何をグズグズしていたんだ」と患者さんに怒鳴られた……。そんなことも一度や二度ではありません。

 ならば、医師に診てもらえばいいだろうと言われるかもしれません。しかし、そうはいきません。通常は初回の診察で「うつ病」と診断することはない医師も、職業が看護師だと知ると、早めにそう診断する傾向にあります。患者さんの命を預かる仕事をしている以上、ミスが起きたら大変だからです。うつ病と診断され、それを病院に報告すれば当然、現場の仕事はできなくなります。

 私たち中堅の看護師は、患者さんをお世話するほかに、感染管理、栄養管理、新人教育、リーダー教育などさまざまな指導を行う必要もあります。看護研究やさまざまなリポート書き、看護研修の準備もしなければなりません。

 それをすべて「なし」にすることはとてもできないのです。

 もちろん、うつ病で仕事を辞めたとなれば、“再び仕事をするときに障害になるかもしれない”との思いもあります。

 実はうつ病持ちの看護師は意外にたくさんいます。看護師の笑顔の裏にはうつ病が隠れているかもしれないことをわかってもらいたいものです。