漢方を初めて試す時、いきなり1カ月分や2カ月分の量を出されたら、薬局をかえた方がいいかもしれません。
漢方には、すぐに効果を発揮するものと、体質改善のためにゆっくりと効果を発揮するものがあります。
すぐに効果を発揮するものは、たとえば前回紹介した「銀翹解毒丸」。私が扁桃腺が腫れて喉が痛くなって飲んだ時は、数分で痛みが治まりました。風邪のひき始めに飲む葛根湯も、すぐに効果を発揮します。ゾクゾクッとした時に飲めば、翌日には風邪のことをケロッと忘れているでしょう。
一方、ゆっくり効果を発揮させて体質改善するには、「しょっちゅう下痢をするから○○○」といった処方の仕方ではなく、本人の体質や体調などを見て合うものを選んでいきます。
「ゆっくり」といっても、2週間程度で何らかの変化を感じます。2週間経っても何も感じなければ、違う薬を検討した方がいいかもしれません。
いずれにしろ、初めての漢方薬で大量に処方されるのはおかしいと考えていいでしょう。常備薬にするつもりであっても、一度も試したことがないものが、必ずしも自分に合うとは限りません。その都度、薬局に行くのは面倒でしょうが、できる限り短いスパンで漢方薬を購入することをお勧めします。
私自身、体質改善のために積極的に漢方薬を飲んでいた時は、その日その日で処方を変えていました。「昨日はレタスを食べたかったけど、今日はホウレンソウを食べたい」などとその日の食べたいものが変わるように、体が求めている漢方薬も、その時々で変化するのです。
漢方達人をめざせ!