「男の悩み」に効く漢方

抜け毛、薄毛が漢方薬で改善できる場合も

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「髪の悩みも漢方薬で改善できる場合があります」

 こう話す漢方薬剤師で氣生薬局(東京・新宿)CEOの久保田佳代さんによれば、髪に関係しているのは「血」と「腎」。

 漢方では「髪は血余なり」といわれ、全身をめぐる血が不足して循環が悪くなると「抜け毛」「パサつき」「コシ・ツヤ・ハリがなくなる」「白髪の増加」などが見られる。

 また「髪は腎の華」ともいわれ、腎の働きが低下すると、人間が持つ生命力、免疫力、自然治癒力などが低下し、薄毛や白髪の原因になる。ちなみに、別項でも紹介したように、腎は精力や疲労にも関係している。

「一般的に、血が不足している場合は『補中益気湯』『桂枝茯苓丸』『加味逍遙散』など。腎の働きが低下している場合は『八味地黄丸』『六味地黄丸』『柴胡加竜骨牡蛎湯』をおすすめします」

 50代後半のAさんは脱毛、抜け毛の相談で久保田さんの薬局を訪れた。足腰のだるさ、手足の冷え、夜中のトイレの回数が多いことにも悩んでいた。

「腎に問題があるとみて、八味地黄丸を出したところ、脱毛、抜け毛の減少に加え、足腰に力が付き、トイレの回数も減りました」

 Bさん(30代)は、パソコンによる眼精疲労に加え、下痢をしやすく髪の毛が地肌に張りつく。そこで杞菊地黄丸+人参湯を出したところ、髪の毛にハリが出て元気も出てきた。

 その人の心身の状態によって、主訴が同じでも適する漢方薬は異なる。結果、主訴の改善が、それ以外の悩みの改善にもつながるのだ。