ダイエットを科学する

日常生活で取り入れるべき「5つの習慣」

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ダイエットを成功させるには、生活のクセを改めるための行動療法を取り入れることが重要」

 日本肥満学会評議員で東京慈恵会医科大学大学院の和田高士教授(健康科学)はこう唱える。

 ここで言う「行動療法」とは、ライフスタイルに応じて次の5つのポイントを日々の生活の中に取り入れること。大分大学では、この方法で大きな成果を挙げているという。

 1つ目は実行可能な食事制限を行う。ダイエットを始めた当初は意気込んで、「ご飯を一切食べない」「1日2食にする」など無理な食事制限をする人が多い。しかし、大抵は挫折して、1週間もしないうちに元の食生活に戻るケースが多い。それでは、何のための食事制限だかわからない。

 大切なのは続けること。例えば、普段1食につきご飯を2膳食べている人なら、それを1膳にする。カツを5切れ食べていれば、4切れにするだけでいい。

「もちろん、栄養バランスのとれた食事は大切です。しかし、素人にはどういう食事が良いのかわからない。そこで、いまの食事から少し量を減らすことを目指しましょう」

 極端な食事制限は、一時的に大きな効果を出せても、長期継続は極めて困難。かえってリバウンドを呼び込みやすい。

 2つ目は具体的な目標体重を決める。こちらも無理なく減らせる体重を目標にするのが大切だ。目標が高すぎるとストレスになってかえって食欲を刺激したり、挫折してダイエット自体をやめてしまいかねない。

「肥満学会では『サンサン運動』をすすめていて、3カ月で3、4キロ落としていくのが理想です。短期間で何十キロの減量目標は長期継続できません」

 3つ目は目標体重に向かう方法として「体重日記」をつける。

「1日4回を目標にしましょう。起床直後、朝食後、夕食後、そして就寝前。これをグラフ化して、一目で変化を見られるようにすることが肝要です。中でも重視すべきは起床直後の体重です。前日より増加していれば、その理由や前日の行動、食事などを振り返り、その後の行動を改めます」

 4つ目はよく咀嚼する。

「肥満患者の多くは早食いで、それは過食の原因になります。幼少期からの習慣を是正するのは大変ですが、一口30回の咀嚼と1食に20分以上の食事時間をかけることで満腹感が生まれ、早食いの習慣が改善されます」

 最後に気をつけるべきは食のリズムを一定にすることだ。

「1日3回の食事を定刻に取りましょう。食事は安らぎやくつろぎを伴います。定刻に気持ちをリラックスして食事をするよう心がければ、消化する力も強くなります」

 この5つの「行動療法」と、運動療法、食事をうまくマッチングさせれば、あなたもやせられる!!