病室から男性が…見舞い客が列をなす女性入院患者の正体

　現在、総合病院の内科病棟を担当している看護師歴２０年のキョウコです。

　入院してくる患者さんの中に、まれに夫婦もおられます。それでも、入院する病棟は男性、女性に分けられます。病院によっては、男女が同じフロアに入院しているケースもありますが、できる限り男女の病室間に距離を置くのが一般的です。理由は性的トラブルを起こさないためです。

　ほとんどの病院は男性病棟、女性病棟とはっきり分けていますが、見舞い時間（午後３～８時）は、男女の区別がありません。性別に関係なく、病棟の出入りが自由になるのですが、ある女性の入院患者さんに注意したことがありました。

「体調不良」で入院された方で、患者さんというのに厚化粧していて、一見して水商売かそちらの関係者と思える３０代の女性でした。彼女が入院して以降、その病室に男性たちが見舞いに来るようになりました。最初は、「親戚か、友人かな」と思っていましたが、どうも病室の雰囲気がおかしいのです。

　見舞客は１階の受付で名前を書くことになっています。ところが、その女性患者の方を見舞う人の氏名がありません。

「なにかおかしい」とその女性患者の部屋を注意深く監視していますと、見舞客は１０～１５分ほどして顔を上気させたまま出ていくではありませんか。しかも、見舞客の何人かはどこかで見た顔です。あとで気付いたのですが、男性病棟に入院している患者さんたちが、平服に着替えて出入りしていたのです。

　病室で何が行われていたか、およその想像はつきます。おそらく入院患者同士の情報交換で、噂が広まっていたのでしょう。見舞客は途切れることはありませんでした。

　現金の授受は確認しておりませんが、私はその女性患者に、「病院に知られたら即刻強制退院ですよ。すぐやめてくださいね」と、勧告しました。でも慣れているのか、なんか悪びれた様子もなかったですね。入院費用を稼ごうとしていたのでしょうか。

　この女性は間もなく、満足した表情で退院していきました。