本当は怖い!歯の病気

4割がこれで歯を失う “大人の虫歯”になりやすい5つの特徴

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「歯が痛くないから虫歯はないだろう。そういえば、歯医者に行ったのはいつだっけ?」

 中高年の中にはそんな人も多いのではないか。しかし、「歯が痛くない=虫歯がない」は間違いだ。厚労省の調査によると、40歳以上の8割は虫歯があり、4割はそれが原因で歯を失うことが分かっている。

 一方で「大人の虫歯」には子供の虫歯にはない特徴があり、それを知らなければ対処が難しい。自由診療医で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長が言う。

「大人の虫歯が痛まないのは、中高年の虫歯ができやすい場所のひとつが虫歯治療をした歯であるからです。かぶせ物や詰め物の下の神経を抜いた歯では痛みを感じない。糖尿病の合併症である神経障害を起こしていれば、痛みが分かりにくい」

 また、大人の虫歯は子供よりも症状の悪化のスピードが速い。

「子供と違って、軟らかい場所に虫歯ができやすいからです。たとえば、大人は加齢や歯周病などで歯茎が下がるため、硬いエナメル質でなく、歯根の軟らかい象牙質が露出した場所に虫歯ができやすい。虫歯は軟らかい場所を侵食していくので、悪化のスピードが速くなります。また、大人は子供に比べて唾液が少なくなりがち。加齢や薬の副作用による唾液の減少は、虫歯菌を抑える作用や歯を再石灰化して虫歯菌から守る機能を衰えさせます」

 半端に露出している親知らずも大人の虫歯ができやすい場所だ。

「中高年の患者さんは『残り少ない歯をできるだけ残すべき』との思い込みが強く、真っすぐに生えていない親知らずさえも守ろうとします。しかし、抜くべき歯を残したばかりに、かえって多くの歯を失うケースが少なくありません」

 実際、真っすぐ生えない親知らずは歯列を乱し、歯と歯の隙間も多くなる。歯を磨いても磨き残しが多くなりやすい。

「こういう歯は睡眠中の歯ぎしりや食いしばりの影響も受けやすい。その結果、特定の歯に力がかかり過ぎて、周囲の正常な歯もダメにすることもあるのです」

 つまり「大人の虫歯」ができやすい人は、「治療した歯が多い」「年齢が高い」「持病があって薬をたくさん服用している」「鼻が詰まって口呼吸することで口の中が乾燥しやすい」「親知らずがある」などということになる。あなたは大丈夫?