成功のヒミツ失敗しないコツ

秋のうつには“首じんわり”“尻ポカポカ”が効く理由

写真はイメージ
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 秋が深まっている。殺人的な暑さから解放されて、体力的にはラクになってきたはずなのに、何となく気分が冴えない。疲れも抜けない。それに過食や日中の強い眠気が出てきたら、「秋うつ」を疑った方がいい。日照時間が短くなり、気持ちを明るくしたり、ヤル気を引き出すホルモンのセロトニンの分泌が減るために起きる症状なのだ。

 作業療法士の菅原洋平氏は言う。

「人間の体は光を感知して活動の準備を始めます。日の出時刻が遅くなると、それがずれ込んでしまう。ホルモンバランスが乱れると、自律神経に影響を及ぼします。休息しているときに働く副交感神経と、活動時に活発になる交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、心身に不調をきたしてしまうのです」

 セロトニンは夜になると、睡眠ホルモンのメラトニンをつくる。セロトニンが足りないと、寝不足に拍車がかかり、負のスパイラルに陥ってしまうのだ。

■“やる気ホルモン”分泌促す最強食材

 この季節に意識的に口にしたいのが、セロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンを含む食品。体重1キロ当たり2ミリグラムの摂取が理想的なので、50キロなら1日100ミリグラム、60キロなら120ミリグラムが目安になる。肉や魚は含有量が多く、旬のカツオやイワシは特に豊富。豆類や卵、牛乳も◎。野菜や果物なら枝豆、ニラ、ホウレン草、アボカド。炭水化物はごはんよりも、そばやうどんがオススメだ。

 手軽にとるなら、朝食に牛乳と納豆、ゆで卵。ランチはそばを選び、付け合わせでホウレン草のおひたしを追加する。酒の肴には枝豆、マグロとアボカドのワサビ醤油和えなんかもいい。アーモンド、カシューナッツ、クルミなどのナッツ類もいい。

 副交感神経を優位に導けば、リラックスにつながり、寝付きが良くなる。

「足首や首、尻の中央付近にある仙骨を温めるのが効果的です。ポイントは就寝前30分の過ごし方。湯船にしっかりつかってこの3カ所を温めるのがベストですが、シャワー派は、温水シャワーを10秒間あてるだけでもOKです。入浴から就寝まで時間があいてしまう場合は、湯たんぽやホットパックなどをあててじんわり温めてあげましょう」(前出の菅原洋平氏)

 ただし、電気毛布や電気アンカ、使い捨てカイロなどはダメ。ひたすら温め続けてしまうため、体温調節ができなくなりかえって体調を崩してしまうから。コタツで気持ちよく寝入ったはずが、気づいたら寝汗ダラダラ。全身がダルくなってしまうのと同じ理屈だ。

関連記事