「薄毛」は男の“永遠”の悩みだ。最近はトレンディエンジェルのように“ハゲ”をネタにしてブレークした芸人もいるが、やはりフサフサにしたい――。「さらば薄毛、最強の自毛復活プロジェクト！」の著者で、あらなみクリニック総院長の荒浪暁彦氏（皮膚科医）に聞いた。
「皮膚科のアドバイスでは『頭皮を清潔にしろ』というのが普通ですが、髪の毛がフサフサの人に聞いてみると、髪の毛をあまり洗ってない方も少なくないのです。患者さんで髪の量が多い人に聞き取りをすると、２日や３日に１回しか洗っていないと答えますね。実はシャンプーで頭皮を清潔にし過ぎて抜け毛を増やす場合もあるのです」
シャンプーは使わない方がいいのですか。
「シャンプーで頭皮がかぶれている人って結構多い。皮膚が荒れて毛穴に炎症が起こり、抜け毛になる人は結構な割合でいます。シャンプーのラベルを見ると分かりますが、多くの商品に硫酸系の成分が入っています。洗浄力が強くて、泡立ちがよく、原価が安いのが理由です。毛穴はきれいになりますが、刺激が強く頭皮にダメージを与える場合があります。何も使わない湯シャンがおすすめです。シャンプーを使わないと違和感があるなら、アミノ酸系を選んでください」
第一三共ヘルスケアの「ミノン 薬用ヘアシャンプー」やスカルプケアの「薬用シャンプー」などを使ってみよう。
■トレンディエンジェルもフサフサに！
乾かし過ぎもダメだ。
「頭皮がカサカサになると抜け毛の原因となる。角質が毛根に詰まって、ばい菌が繁殖しやすくなるし、紫外線も通りやすくなります。しっとりする程度がちょうどいいです」
薄毛は気になるが、ハゲる前に予防薬として使うなら「フィナステリド」がある。
「男性ホルモンの働きを抑えることで、薄毛を予防しますし、ある程度発毛効果がある。皮膚科学会で最も推奨されています。しかし、副作用として１～５％の人は男性機能が落ちたデータがあります。医師の指示通りに飲んでください」
トレンディエンジェルの２人をフサフサにするにはどうすべきか。
「フィナステリドや市販薬では発毛成分ミノキシジル配合の『リアップ』が、ある程度の発毛効果があります。ただ、『ミノキシジル』も外からでは毛根に行き届きにくく、劇的な効果を求めるならやはり内服です」
内服薬には、どんなものがあるのですか。体に影響はありませんか。
「『ミノキシジル』の内服は、万人に効果があります。飲めば飲むほど、目に見えてフサフサになります。ただし、全ての毛母細胞を活性化するので、全身の体毛も増えます。またもともと血圧の薬なので、安易に飲み続けるのはよくないし、量の調節が必要です。病院で、肝機能、腎機能、血圧をチェックしてもらいながら、副作用のリスクが少ない２．５ミリまでにしたい。服用をやめると、元に戻ってしまいます」
まだ完璧とはいえないようだ。ならば“最終兵器”を使うしかない。
「毛母細胞の『成長因子』を注射する方法です。副作用もなくて注目されていて、最近は『機能性ペプチド』という注射も活用され始めました。ペプチドというタンパク質を打って、毛母細胞の成長を促す。効果が期待されている再生医療のひとつです。内服は、ある程度負荷がかかり、効果も飲んでいる時だけ。注射は効果が長持ちします」
価格は、「あらなみクリニック」なら１回８万円。病院によって１６万円まである。生え揃えば終了だ。ただ、トレンディエンジェルの２人がフサフサになったら、ただのオジサンになってしまうかなぁ……。
オトナの社会講座
シャンプーをやめると髪の毛が抜けないって本当ですか？
