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腎臓<6>塩機能低下を防ぐ「4つの生活習慣」

ビール1リットル以上の飲酒は注意が必要
ビール1リットル以上の飲酒は注意が必要(C)日刊ゲンダイ

 喫煙が腎臓に悪いのは言うまでもありません。とくに腎臓に障害がある方の喫煙は、タンパク尿を増加させて腎機能障害の進行を促進させるばかりか、心血管疾患の危険性も増大させ、死亡リスクの増加に強く関連することがわかってきています。

 一方で、「水は飲めば飲むほど腎臓にいい」と誤解されている方がいらっしゃいます。しかし、腎機能の低下を抑制する適正な飲水量は、渇きに応じた飲水を行うことで十分であり、大量に飲水することは必要ないと考えられています。

 日本腎臓学会のガイドラインでは、「中等度までの飲酒は腎臓に対して予防的に作用する可能性があり、それ以上ではタンパク尿を発症させる可能性がある」としています。男性は日本酒3合あるいはビール1000ミリリットル以上、女性はその半量以上の飲酒は注意が必要です。

 また、過剰な食塩は、腎臓に大きな負担をもたらします。食塩をとると、ナトリウムの濃度を0・8%にするために水を引き寄せるからです。それによって血液量が増加して血圧が上昇し、血管の細胞を傷つけてしまいます。

 減塩は血圧低下に効果的で、1日1グラム減塩すると収縮期血圧が約1mmHg下がります。ただし、安全性より食塩摂取量1日3グラムを下回ってはいけません。

 過剰な塩分摂取を防ぐには、醤油やソースは小皿にわけて直接つけて食べたり、うま味のある食品を使うようにしたり、香辛料や薬味あるいは酸味を利用したり、加工食品をなるべく使用しないようにする工夫が必要です。外食時には薄味を注文し、麺類の汁は飲まない、定食ものを注文する、ドレッシングやマヨネーズは別皿にしてもらう、鍋ものはなるべく避けるようにするといいでしょう。

(松尾内科クリニック・松尾孝俊院長)