受診までの「応急処置」

【鼻づまり】乾燥は大敵 濡れタオルや加湿器で粘膜を潤す

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 鼻づまりは、鼻の通りを悪くしている原因が何かによっていくつかのタイプがある。耳鼻咽喉科・日本橋大河原クリニック(東京)の大河原大次院長が言う。

「まずは、かぜや慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などで粘り気の強い鼻汁がたまってつまるケース。それから、鼻汁が出ていないのにつまるのは、鼻の奥にある3つの棚状のヒダの粘膜が腫れて鼻の通りを悪くしているケース。この場合、多くはアレルギー性鼻炎が原因です」

 しかし、もともと鼻の通りが悪いところに、風邪やアレルギー性鼻炎が重なり、急激に鼻づまりが強く出る場合もある。その大本の原因は「鼻中隔湾曲症」だ。

「鼻の穴を隔てている鼻中隔軟骨は、誰でも成長期に多少曲がってしまいます。しかし、その曲がりが強いと鼻づまりの原因になるのです」

 鼻の奥に粘膜の炎症でできる鼻タケ(ポリープ)が充満しても鼻の通りが悪くなる。昔は蓄膿症に伴うことが多かったが、近年はアレルギー性鼻炎(好酸球性副鼻腔炎)によってできるケースが非常に増えているという。

「いずれにしても、鼻づまりは粘膜の乾燥が最もよくないので、応急処置としては加湿器を使ったり、お風呂に入ったりして、鼻の粘膜を湿気で潤すことです。鼻の上に濡れタオルを置くのもいいでしょう」

 では、鼻の穴を広げて鼻の通りをよくする市販の鼻腔拡張テープを使ってみるのはどうか。あまり効果は期待できないが、鼻づまりはちょっとでも鼻の通りがよくなると急速に解消する場合があるので、使ってみる価値はあるという。これらの処置に加えて、市販の内服薬を飲んでみる。

「市販薬ですすめられないのは点鼻薬(スプレー)です。市販の点鼻薬は血管収縮薬を使っていて、とてもよく効きますが、薬が切れると反動で余計つまります。それでクセになって頻繁に使っていると、粘膜がボロボロになって炎症が起こりやすい状態にさせてしまうのです。一時的に使うのならいいのですが、クセになる人が多いので要注意です」

 市販の点鼻薬が手放せなくなるようなら、耳鼻咽喉科を受診してステロイドの点鼻薬を処方してもらおう。普段から鼻の通りの悪い人も、受診して原因をはっきりさせることが大事。鼻タケが原因であれば、薬で小さくしたり、内視鏡手術で切除する。鼻中隔湾曲症の場合も、矯正手術をすれば軟骨を真っすぐに治せるという。