受診までの「応急処置」

【突然の腰痛】痛み止めを飲んでコルセットを装着

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 誰もが経験する「腰痛」の原因疾患は数多い。しかし、約85%は画像診断などで原因が特定できず、筋肉の疲労やストレスなどが関係する「非特異的腰痛」といわれる。山田記念病院・整形外科(東京都墨田区)の長谷川伸医師が言う。

「大切なのは、安静にしていても痛むかどうかを確認することです。安静時でも痛む場合は、内臓疾患(大動脈解離、膵臓疾患、尿路結石など)の可能性があるので早く病院を受診した方がいい」

 しかし、安静にしていれば痛くない腰痛でも「ゆっくりでも動けない」「下肢に激しい痛みや麻痺を伴う」「尿閉や便秘を伴う」「発熱を伴う」などがあれば、腰椎の病気の疑いがあるので受診が必要だ。これらに該当しない急性腰痛であれば、基本的には安静にして市販薬などを使って様子を見てもいいという。

「薬局などで購入できるコルセットを装着するとかなり楽になります。痛み止めは、飲み薬ならロキソニンなどの消炎鎮痛薬、湿布であれば『インドメタシン』や『フェルビナク』などの消炎鎮痛成分が含まれているものを選ぶのがいいでしょう」

「腰痛にいい」とされるサプリメントも売られているが、少なくとも急性期の症状には効かないという。入浴は、慢性腰痛以外は症状が改善するまでは短時間で済ませるようにする。これらの応急処置で治っても、腰痛を頻回に繰り返す場合は一度病院で検査を受けた方がいい。

「その場合に『原因不明(非特異的腰痛)』と診断され、ストレッチなどの運動療法を指導されることも少なくありません。毎日、朝夕2回やって6週間も続ければかなり腰痛が改善するはずです。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの疾患による腰痛にも有効です」

 慢性の腰痛持ちでは、痛いからと体を動かさないと、筋力が弱ったり、腰周辺の血流が悪くなったりするのでかえって良くない。腰の負担が少ない水泳などの運動習慣は腰痛予防になるという。

 おすすめのストレッチは次のようなものだ。

★「ツイスト体操」①あおむけに寝て、両膝を立てる②両膝をつけて体をねじるように片側に30秒間倒す。肩が床から離れないように注意③左右5~10回繰り返す

★「膝かかえ体操」①あおむけに寝て、膝を軽く立てる②片方の膝に両手を乗せて、脚の力で腹に近づける。手に力は入れない③左右5~10回ずつやったら、最後に両膝を一緒に抱えて腹に近づける