病院は本日も大騒ぎ

看護師や医師の気を引くため…患者がとった“驚きの行動”

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 看護師歴15年のトモミです。現在、関東圏の総合病院に勤めています。

 入院患者さんの中に、担当医や看護師たちの気を引こうとして、異常な行動を起こす人が少なくありません。

「お世話になります」と、お菓子などを届けてくれる患者さんはうれしいのですが、逆に人騒がせなケースもあります。

 両足が少し不自由な入院患者さんがいらっしゃいました。

 その患者さんがベッドから落ちないように柵を両側に設け、中心静脈栄養法(心臓に近い太い静脈に挿入)の点滴をしていたときのことです。私が病室を巡回したときは問題なかったのですが、その後、他の看護師から「いないわよ!」と知らされたのです。

 足が不自由ですから、トイレにもひとりでは行けない患者さんです。それが、姿を消したなんて! 私は急いで病室を訪ね捜したところ、意外なところに隠れていました。なんと、隣の患者さんのベッドの下にもぐり込んでいたのです。

 どうやってベッドから下りたのか分かりません。その後も同じ行為を繰り返そうとしていたので、あるとき現場を押さえました。この患者さんは、柵の間からお尻を斜めにして押し込み、後ろ向きで床に下り、這って隣のベッドに入り込んでいたようです。

 その患者さんは家族がおらず、お見舞いの方もいませんでした。そのため、医師や看護師の気を引こうとして、こうした行動を起こしたのでしょう。

 また、精神科の患者さんは、担当の精神科医の気を引こうとして病院を訴えることもあるといいます。理解できませんが、「トラブルを起こして、なんとか相手をしてもらいたい」という人が存在するのです。迷惑な話です。

 迷惑といえば、こんなケースもあります。病院で身内を亡くしたご遺族は、担当の医師や看護師たちに「ありがとうございました」などと丁寧な感謝の言葉を述べる場合がほとんどです。しかし中には、それからしばらくして「あの時の治療法がどうのこうの」などと、病院にグチグチ苦情を言ってくる方がいるのです。返答に困ってしまいます。