当事者たちが明かす「医療のウラ側」

子供と大人で正反対の報告 水でお腹を満たすとやせるのか

写真はイメージ
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
都内の40代薬剤師

「口さみしくて、ついつい食べ物に手が出てしまうの」――。“ダイエットにチャレンジしては失敗”を繰り返す友人がよく口にする言い訳です。

 それなら、お水を飲んでお腹を満たして食べる量を減らせばダイエットにつながるのではないか。そう思うのは私だけではないはずです。しかし、それは子供には通じないようです。

 米国の小児専門誌に6カ月の食事指導で体重を減らす努力をした平均14.9歳の子供を対象に、1日に水を「5.2杯飲む子供」と「6.8杯飲む子供」とに分けて調べたところ、水の量と体格には関係がなかったというのです。

 その一方で、中高年の場合は水を飲むことがダイエットになるという研究があります。1日当たり1500キロカロリー程度になるように食事指導を受けていた55~75歳の中高年を、「食事の30分前に必ず水を2杯ずつ飲む群」と「そうでない群」とに分けて、3カ月後の体重を調べたところ、前者の方が明らかに大きくやせたとの研究があるのです。

 では、なぜ水を飲むことがダイエットにつながるのでしょうか?

 以前、食事をする前にキャベツの千切りを食べてお腹を満たすというダイエット法がありましたが原理は同じ。水でお腹を満たすことで満腹感を得るということがひとつ。さらに水を飲むことで代謝が高まり、カロリーを消費することでやせる、という意見もあるようです。

 しかし、食事前に水を大量に飲むと消化液が薄まり、食べ物の消化・吸収が悪くなる気がします。そこで水を飲むのは食事の30分前ということにしたのでしょう。

 ただし、気をつけたいのは水の温度。これからの季節は冷たい水の方が気持ちが良いのですが、水は常温で飲んだ方がよさそうです。食事前に胃が萎縮して消化・吸収の妨げになるからです。

 もちろん、ジュースは糖質が高いのでNGです。水なら硬水、軟水などにかかわらず大丈夫のようです。

 私の友人は「とりあえずラクそうだから水飲みダイエットをやってみる」とのこと。結果は8月ごろにはわかるでしょうが、果たして……。