受診までの「応急処置」

【ニキビ】スクラブ入り洗顔石鹸は使わない方がいい

石鹸にはこだわりたい
石鹸にはこだわりたい(C)日刊ゲンダイ

 大半は思春期にできるので「青春のシンボル」と呼ばれるが、成人になっても発症する「大人ニキビ」も少なくない。ニキビはどうしてできるのか。山手皮フ科クリニック(東京・高田馬場)の豊福一朋院長が言う。

「ニキビの原因は3つ。①『皮脂を分泌する脂腺が大きくなる』②『毛穴の角化の進行』③『アクネ菌(ニキビ菌)の増殖』です。脂腺が活発になって皮脂の分泌量が多くなるのは、男性ホルモンの影響。ですから、男女とも男性ホルモンの分泌がピークとなる思春期から20代半ばに、ニキビもできやすいのです」

 毛穴が古い角質でつまると、毛包内に皮脂を好むアクネ菌が増殖しやすい環境になる。この状態を「面皰」と呼ぶ。面皰は炎症のないニキビで、毛穴の閉塞した「白ニキビ」と、毛穴が開いて中の黒い内容物(汚れ)が見える「黒ニキビ」がある。

「毛穴の中で増殖したアクネ菌は炎症を起こす物質をつくります。面皰に炎症が起きて、赤く少し盛り上がった状態が『赤ニキビ』。炎症がさらにひどくなり、膿がたまると『黄ニキビ』になります。家庭でのケアが大切なのは、炎症が起こる前の面皰の段階。毛穴のつまりが取れれば治ります」

 白ニキビや黒ニキビができたと思ったら、低刺激の洗顔石鹸でこまめに洗顔する。細かい粒を含んだスクラブ入り洗顔石鹸は使わない方がいい。皮膚の表面を削ってしまうので、頻繁に使うと逆に悪化させてしまう可能性があるという。

 洗顔と併せて、市販のニキビ治療薬(塗り薬)を使うのもいい。含まれる成分には、角質を軟化させたり、皮脂を吸収したりする作用があるので、面皰であれば効果は期待できるという。

「炎症を起こした赤ニキビの状態になったら、もう受診した方がいい。膿がたまった黄ニキビは、自分で勝手に潰してはいけません。傷口から細菌が入り込んで、余計に悪化させてしまいます」

 黄ニキビの炎症が皮膚の深くにおよぶと、指で触るとコリコリとした「硬結」と呼ばれるシコリができる。さらに悪化すれば皮膚の中にふくろ状に大きくなった「嚢腫」ができる。硬結や嚢腫ができてしまうと、治療をしても皮膚表面にデコボコの瘢痕が残る確率が高くなるという。

「いまの処方薬の主流は『過酸化ベンゾイル』や『アダパレン』を配合した塗り薬で、1日1回の使用でいい。予防薬としても使えて、とてもよく効きます」