病院は本日も大騒ぎ

糖尿病の教育入院 我慢できるのは1週間程度?

分かっちゃいるけどやめられない
分かっちゃいるけどやめられない(C)日刊ゲンダイ

 関東圏の総合病院に勤務して、20年になる看護師のフミエです。

 入院病棟を担当しておりますが、その一角に「教育入院」用の部屋があります。主に糖尿病患者さんですが、入院期間は1クール2週間が多いようです。

 糖尿病は、すぐに手術の心配や生死にかかわる病気でもありませんから、患者さんたちは気楽で部屋もにぎやかです。

 入院費は自己負担3割で1日約1万円ほど。なかには旅行気分で入院して来る患者さんも少なくありません。

 看護師をまるでお手伝いさんか彼女と勘違いしている患者さんもいて、デートに誘ってきます。断りますけど(笑い)。

 教育入院は、あくまで患者さんが主人公で、スケジュールを組み医師、看護師、薬剤師、それに臨床検査、理学療法、管理栄養士などの専門家が指導することになります。

 毎日、朝食30分前の血糖値検査や、運動、食事の講習などを行います。問題は食事です。

 管理栄養士が1日のカロリー摂取量を厳しくしていますから、量が少ない。味も薄い。もともと食欲旺盛な人たちですから不満を持つのは当然です。

■見舞客におにぎり持参を要求

 入院1週間も経つと、食堂で患者さんの姿を見ることがあります。見つかれば担当医からお叱りを受けますから、顔を隠して何かを食べています。これでは教育入院の意味がありませんよね。

 なかにはトイレや休憩室でスマホを使い、友人に小声で、「次の面会のとき、シャケのおにぎりか卵入りサンドを持って来てくれ」と、頼んでいる姿を見かけます。

 食べている現場を見たらもちろん注意します。でも、聞き耳だけではできません。そういう場合はたいていその後にゴミ箱におにぎりやサンドイッチの包み紙が捨てられていますので注意するのですが、「オレのじゃない」と言い訳する人もいます。

 しかし、病院食以外に何かを余計に食べたとき、血糖値に出ますから、ウソなんか意味がありません。医師や看護師がデータ片手に「食べましたね」と言うと、患者さんは顔を真っ赤にしてうつむくしかないのです。