50代以上は“冬バテ”要警戒 極寒で死なないための生活法

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年の冬は寒すぎる。東京が48年ぶりの氷点下4度を記録したかと思ったら、さいたま市は同9・8度と観測開始以来最低記録を更新した。まさに「極寒」だ。こうなると神経系統のバランスが崩れて心身に不調をきたす“冬バテ”が心配だ。

 医学博士の左門新氏によると、厳しい寒さに慣れていない人が急激な気温低下を経験すると内臓や手足の機能が低下し、さまざまな症状が出るという。とくに50代以上の人は寒さを甘くみていると命を失いかねない。左門氏が言う。

「まず心配なのが心臓や胃腸、血管などに悪影響を及ぼす自律神経の乱れです。たとえば狭心症の気のある人は寒さで血圧が上がり、血管が収縮、心筋梗塞に進みやすくなる。便秘や下痢のような症状も考えられます。寒さで副交感神経の機能が鈍化するとイライラしたり、頭痛が起きることも。『布団から出たくない』『会社は嫌だ』と倦怠感に襲われる人もいます」

 夜中にトイレに立ち、寒い廊下を歩いているときに脳出血で倒れることもある。逆に夜中のトイレが嫌で水分を抑えていると血液がドロドロになり、脳梗塞や心筋梗塞につながりかねない。

■朝風呂はかえって危険

 50代になると健康な人でも動脈硬化が起きて血流が悪化し、体の指がかじかんでしまう。その結果、手足の動きがぎこちなくなり、ケガをしたり転んだりするという。

 厳しい寒さから身を守るには手袋やマフラー、温かい靴下を身に着けるのが基本のキだ。温まって外出しようと朝風呂に入る人もいるが、お湯で拡張した血管が屋外で急に収縮するから、かえって危険。むしろ夜、睡眠の3時間前に40度以下のお湯にゆったりつかるほうがいい。

「朝と夜に深呼吸するのもいいでしょう。朝の深呼吸は体の隅々に酸素を送ってやる気を起こさせるため、夜は副交感神経を活発化して気持ちをリラックスさせるためです。カーテンは遮光タイプでなく、薄いものを掛けたほうが脳内のメラトニンが自然に減少して体と神経がリセットされます。寒いと肝臓機能低下でアセトアルデヒドの分解が悪くなって悪酔いしがち。酷寒の夜はお酒は控えめにしてください」(左門新氏)

 海外では寒波のせいで死者も出ている。しっかり健康管理をしないと、われわれもお陀仏になりかねない。

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