ベストセラー名医の健康法

消化器専門医・江田証氏は夜9時以降は食べず胃腸を大掃除

江田証氏
江田証氏(C)日刊ゲンダイ

 日頃から、論文で発表され、科学的根拠が認められている健康長寿法を実践することをモットーにしています。

 まず、カーテンを開けたまま就寝して、朝は太陽の光だけで目覚めるようにしています。「メラトニン」というホルモンを規則正しく分泌させるためです。睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンは、光が網膜に当たるとその約15時間後に分泌されて睡眠を促すように体内時計がセットされます。朝に太陽の光を浴びてしっかりセットしておくと、夜には増えやすくなるのです。メラトニンには胃腸の状態を整える作用もあります。

 朝食は30グラム分のミックスナッツと大さじ4杯のエキストラバージン・オリーブオイルを取るようにしています。これらは毎日摂取すると狭心症や心筋梗塞といった心臓疾患にかかるリスクを30%も減らすことが発表されています。

 昼はココナツオイルを入れたコーヒーを飲んでいます。ココナツオイルには中鎖脂肪酸という天然成分が豊富に含まれていて、抗菌作用、抗酸化作用、認知機能改善効果、中性脂肪を減少させるなど、しっかりした医学的なエビデンス(科学的根拠)が報告されてます。

 夜は夕食時に赤ワインをグラス1杯飲むようにしています。赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールは長寿遺伝子のサーチュインを活性化させるのです。

 21時以降は何も食べません。胃は空腹時に運動して、摂取した食物の食べカスや剥がれ落ちた細胞を十二指腸へ押し流す大掃除をしています。空腹が長時間続く就寝時に活発に掃除を行うので、寝る前に食べると胃や腸の大掃除を妨げてしまうのです。

 就寝は23時です。睡眠時間は短すぎても長すぎてもよくありません。7時間の人が最も寿命が長いというデータがあります。

 健康にいい生活習慣はどんどん実践していきたいと思っています。

▽江田証(江田クリニック院長)
 日本消化器病学会専門医。自治医科大学大学院卒。2005年に無医地区だった故郷(栃木県)で開業し、毎日200人近くを診ている。「小腸を強くすれば病気にならない」(インプレス)、「医者が患者に教えない病気の真実」(幻冬舎)、「パン・豆類・ヨーグルト・りんごを食べてはいけません」(さくら舎)など多くの著書がある。

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