更年期を知って夫婦円満

ヒマだと更年期に悩まされる?経験談を信じ込んではいけない

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 テレビやネットでは更年期に関する情報が多く発信されています。しかし、更年期症状でつらい思いをした方たちに話を聞くと、「これが更年期症状だとは思わなかった」という声が本当に多い。そのために間違った科を転々としてしまうケースや、男性側が「不調の妻にどう対応していいのか分からない」と戸惑うケースを、以前このコラムで紹介しました。

 こういったことが起こる原因は、無意識に持つ知識や認識が間違っているせいかもしれません。ヘルスリテラシーという言葉をご存じでしょうか? これは、健康や医療の情報を得て正しく理解し、効果的に活用できる能力を指します。更年期でありがちなのが「ヒマだと更年期に悩まされる」「気持ちを前向きに持てば更年期のつらい症状も吹き飛ぶ」「“病気”じゃないんだから我慢しなきゃ」といった先輩たちの経験談や根拠なき情報に振り回されてしまうこと。症状は多様で個人差があります。耳にする情報が本当に信頼できるかを疑い、精査する。サプリなどで予防できる程度か、病院で治療が必要なのか? 判断し、それに続く適切な行動が求められています。

 この連載を通じて、女性ホルモンの働きや分泌の減少で起こる体の変化、それに関係する不調や病気、生活の問題を紹介してきました。更年期症状は、健康を支える女性ホルモンの減少で表れる症状です。肌トラブルや高血圧が更年期と関係していると想像する方は多くないでしょう。女性ホルモンの減少で骨密度を下げ骨折のリスクを高めますが、「骨密度が下がった」と周囲に言った時に、「あー、更年期だからね」と指摘されることはレアケースです。

 更年期に不調を感じたら、どこで情報を取得すればよいか? 更年期や女性の健康をサポートする団体や、更年期治療の処方薬を販売する製薬会社がおすすめです。これらのホームページなどには、更年期の基礎、薬、治療、予防法まで掲載されています。得た知識は、“様子見”の時にも役立ちますし、受診時に医師に質問したり、治療法を判断したりする時にも役立ちます。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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