セックスが痛い

性科学的に男性の挿入OKタイムと女性のOKタイムは異なる

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 性科学という分野があることをご存じでしょうか。実は性を科学的に知ることで、より性生活が豊かになります。特に身体的に原因がないのにセックスで痛みを訴えるパートナーを持つ人には、価値がある知識なのです。

 正しい性反応って、男女問わず、教わったことがありませんよね。自分の知識が正しいのかどうかなんて、実は分からないのです。女性の中には一生オーガズムを経験することなく過ごす人も少なくありません。

 日本性科学会の本「セックス・セラピー入門」では、オーガズム研究者であるマスターズ博士とジョンソン博士の研究を紹介しています。それによるとセックスは、興奮期→高原期→オーガズム期→消退期と4つの段階に分かれているそうです。興奮期は、性的興奮により性器が充血し膨張。男性は勃起します。女性は視覚より接触の刺激で感じることが多く、その人にとって感じやすい場所を、ちょうどよい圧で触れると興奮が高まります。

 ただし、この段階で女性は、まだ受け入れる準備はできていません。ここ、すごく大事ですよ! どうすれば興奮するかは人それぞれなので、相手の反応を確認しながら高原期へと進めていきます。

 そしていよいよ、高原期です。ここでようやくペニスを受け入れられる段階を迎えるのです。そしてオーガズム期に入ると、男女ともに0・8秒間隔で性器が収縮します。男性は3~7回の収縮で射精が起こり、消退期と続きます。

 この本によるとオーガズムを感じる女性は3分の1程度。その背景には女性の性反応を理解していないことが挙げられます。高原期に入る前に挿入をすると、女性側は苦痛が起きることもあり得るのです。しかし性反応の知識があれば、しかるべきタイミングでお互いに快感を得られる可能性が高く、ある意味大きな達成感ともいえます。これは、知らないのはもったいないですね。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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