コロナを疑われたくない 絶対に咳をしたくない人の漢方対策

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 電車で咳をしたら、隣に座っていた人に逃げられた……なんて経験をした読者もいるのでは。

 新型コロナと風邪の症状は似通っているので、本人が風邪だと思っていてもコロナを完全に否定はできない。風邪のような症状の人には近づかない方がベターだし、自分が咳をしているのなら、不要不急の外出を控え、他人との接触を極力避けるべきだろう。

 妙な誤解を招かないためにも“ただの風邪”であってもひきたくない。東京・大塚の「気生薬局」代表で、漢方歴26年の薬剤師・久保田佳代氏によれば、風邪予防には「背中の温湿布」が効果的だとこう言う。

「東洋医学では、自然界にある風という『気(き)』が、体に害を与える『邪(じゃ)』に変化することで、風邪(ふうじゃ)となり、風邪(かぜ)となる、と考えています。そして、風の邪は背中にあるツボ『風門』から入ります。この風門に温湿布をペタッと1枚貼って温めると、風邪をひきにくくなるのです」(久保田氏=以下同)

 背中がゾクゾクっとして「もしかして風邪?」と思った時は、よく知られる漢方薬「葛根湯」をお湯で飲むといい。葛根、麻黄(まおう)、桂枝(けいし)、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)の7つの生薬からできている葛根湯は、進行した風邪には効かないが、引き始めのタイミングで飲むと非常に効く。

「発汗すると初期の風邪を治せます。生姜とハチミツをお湯に溶いて飲むのもいいですよ。体が温まり、邪を汗と一緒に追い出せます」

 東洋医学の教えに「風邪は背中から引く、日暮れに引く」というものがある。「背中」は、前述の「風門」。そして「日暮れ」は、寒い1日の終わりに疲労と空腹と水分不足で体温や気の流れが低下した矢先に「邪」が体内に入りやすくなるということ。

「夜は精進料理で『養生三宝』と言われる白菜、大根、豆腐の鍋料理を。これらは体を冷やす『涼性』の食材ですが、鍋に入れて加熱すると体を温める食材となります。滋養強壮や免疫力を高める優秀な食材なのです」

 夕飯はこれで決まり!

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