セックスが痛い

セックスの問題を話し合う前に2人の認識のすり合わせを

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ここ数年、一般女性がセックスの痛みについてつづったブログをよく目にするようになりました。人気が出て書籍化されたものもあります。

 ベストセラー小説であり実写ドラマ化までされた「夫のちんぽが入らない」をはじめ、このコラムでも取り上げた「夫のHがイヤだった。」、最近出版された漫画「奥さまは処女」など内容はそれぞれ違うものの、夫婦間のセックスで「痛み」が存在していました。

 さらに他の共通点を挙げると、夫婦のコミュニケーション。

 普段仲が良くても、夫がいい人でも、セックスの話ができない、成立しない。

 そんなに痛くて深刻なら、話し合えばいいのにと思うかもしれません。でも当事者にとっては、セックスの痛みは自分の体に起きていること。パートナーと共有する発想がないのです。

 実は私自身も、セックスの痛みをパートナーと一緒に解決する発想はありませんでした。

 私が痛がっていることをパートナーは知っていても、われ関せずでしたし、恥ずかしさを振りきって私が潤滑剤を出した時は「そんなもの、どこで覚えたの?」とふざけながら笑い、話し合いになりませんでした。でも、ふざけ笑いは彼も恥ずかしかったからなのです。ギクシャクした空気になり、それ以後、性について2人で話す機会はありませんでした。

 私が運営する性交痛のサイト「ふあんふりー」の監修者、ラブライフアドバイザーのOliviAさんによれば、「セックスは2人で行うもの。だから問題があれば2人の課題。でも話し合いの前には、“より良い性生活が2人の関係を維持するために大切”と認識をそろえるべき」。どちらかが頑張って話し合おうとしても、恥ずかしいなどの気持ちが妨げになるケースも。思い切ってカップルでカウンセリングを受けるのもひとつの選択肢だと思います。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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