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コロナワクチン接種後の死亡一時金 厚労省が新たに2人を認定

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悩む人は多い…(C)日刊ゲンダイ

 ワクチンによる健康被害を審査する厚労省の「第151回疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会」が9日開催された。

 今回は新型コロナワクチンについては17件が審議され、そのうち10件をワクチン接種によって起きた可能性が否定できないとして国の救済を認定した。残り2件は否認、5件は保留となった。

 認定された10件のうち2件は死亡事例で、ワクチン接種後に「間質性肺炎急性増悪」で亡くなった91歳男性と、「血小板減少性紫斑病」により死亡した72歳男性に死亡一時金・葬祭料が認められた。

 新型コロナワクチン接種後死亡で死亡一時金と葬祭料の請求が認められたのは、7月25日開催の同分科会の91歳女性に次いで3例目。請求者に対して、予防接種法に基づき死亡一時金と葬祭料としてそれぞれ4420万円と21万2000円が支払われる。

 ほかに医療費・医療手当の請求が認められたのは8件。その性別とワクチン接種時年齢は、20代2人(男性2人)、60代4人(男性2人、女性2人)、70代2人(男性1人、女性1人)。疾病名・障害名は、「血小板減少性紫斑病、脳出血」「血小板減少性紫斑病」「ギラン・バレー症候群疑い」「重症片頭痛発作」「IgA血管炎」「発熱、頭痛」「急性心筋炎」「発熱、てんかん発作の再燃」だった。

 否認された2件は86歳女性の医療費・医療手当と86歳女性の死亡一時金と葬祭料の請求。

 同分科会は否認理由を「①予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠はないが、通常の医学的見地によれば否定する論拠がある②予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠がある③疾病の程度は、通常起こりうる副反応の範囲内である④障害の程度は、政令に定められる障害に相当しない⑤因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である」と分類しているが、今回否認の2件はいずれも②を否認理由に挙げた。

 新型コロナワクチンに関しては今回の審議結果を含む累積の申請受理件数は4244件。うち認定件数は920件、否認件数は69件、現在の保留件数は28件となった。

 ちなみに新型コロナワクチン接種がスタートして9月9日で1年6カ月余りが経過。この間、3.18億回を超えるワクチン接種が行われ、厚労省には医療機関からだけでも3万4497件(8月7日まで)の副反応疑いと1834件の接種後死亡件数(8月19日まで)が報告されている。

 なお、同審議会では、新型コロナワクチン以外にも生後1カ月から73歳までのロタ、BCG、日本脳炎、インフルエンザの各ワクチンによる健康被害が認定され、医療費・医療手当が支払われることになった。

 同分科会は認定にあたっては、個々の事例ごとに、「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」との考え方に基づき審査しているとしている。

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