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ワクチン接種後の健康被害 厚労省が66件の医療手当請求を認定

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受ける女性(C)共同通信社
新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受ける女性(C)共同通信社

 新型コロナワクチンの健康被害を審査する厚労省の「第12回疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会」が22日開催された。新型コロナワクチンに関する健康被害申請があった84件の審議が行われ、認定66件、否認13件、保留5件となった。

 審議はいずれも医療手当の請求で、死亡一時金・葬祭料の審議は行われなかった。

 今回認定されたのは14歳男性~87歳女性で、請求のもとになる主な疾病名・障害名はアナフィラキシー19件、アナフィラキシー様症状4件、急性アレルギー反応7件、発熱7件、蕁麻疹5件、頭痛5件、倦怠感4件など(複数の場合あり)だった。

 同分科会は否認理由を以下の通り分類している。

①予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠はないが、通常の医学的見地によれば否定する論拠がある。

②予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠がある。

③疾病の程度は、通常起こりうる副反応の範囲内である。

④障害の程度は、政令に定められる障害に相当しない。

⑤因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である。

 今回の否認は68歳の女性が①になった以外はいずれも③を否認理由に挙げた。

 新型コロナワクチンに関しては今回の審議結果を含む累積の申請受理件数は4424件。うち認定件数は986件、否認件数は82件、現在の保留件数は26件となった。同審査会は予防接種の健康被害救済制度の審査の認定にあたっては、個々の事例ごとに、「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」との考え方に基づき審査しているとしている。

 新型コロナワクチンの接種は2021年2月17日にスタート。9月21日までに3.22億回を超えるワクチン接種が行われている。ちなみに厚労省には医療機関からだけでも3万4497件(8月7日まで)の副反応疑いと1834件の接種後死亡件数(8月19日まで)が報告されている。

 なお、9月20日からはオミクロン株対応2価ワクチンの接種がスタート。初回接種(1.2回目)を完了した12歳以上のすべての人が対象で1人1回できる。初回接種がまだの人は従来型ワクチン接種後5カ月が経過した後にオミクロン対応2価ワクチンを接種できるとしている。

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