新型コロナワクチン接種後死亡一時金 厚労省が新たに72歳男性を認定で計4件に

ワクチン接種がスタートして1年8カ月が経過(C)共同通信社
ワクチン接種がスタートして1年8カ月が経過(C)共同通信社

 ワクチンによる健康被害を審査する厚労省の「第152回疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会」が17日に開催された。

 今回は新型コロナワクチンについては18件が審議され、そのうち11件を「ワクチン接種によって起きた可能性が否定できない」として国の救済を認定した。残りは、否認2件、保留5件となった。

 認定された11件のうち1件は死亡事例で、ワクチン接種後に「免疫性血小板減少症の疑い、脳静脈洞血栓症」で亡くなった72歳男性。関連する基礎疾患と既往症として「慢性腎疾患、アルコール依存症、前交通動脈脳動脈瘤、高血圧症、高尿酸血症、慢性閉塞性肺疾患など」があった。

 新型コロナワクチン接種後死亡で、死亡一時金と葬祭料の請求が認められたのは、7月25日開催の同分科会の91歳女性、9月9日開催の91歳男性と72歳男性に次いで4例目。請求者に対して、予防接種法に基づき死亡一時金と葬祭料としてそれぞれ4420万円と21万2000円が支払われる。

 ほかに医療費・医療手当の請求が認められたのは10件。その性別とワクチン接種時年齢は、20代3人(女性3人)、30代1人(男性)、40代1人(男性)、50代2人(男性1人、女性1人)、70代3人(男性3人)。疾病名・障害名は、「免疫性血小板減少症の疑い、脳静脈洞血栓症」「急性アレルギー反応、急性筋障害」「房室ブロックの悪化」「発熱、四肢発疹、両膝関節痛、全身倦怠感」「腹痛、嘔吐、下痢、便潜血陽性」「顔面帯状疱疹」「左側有痛性強直性けいれん、上半身不随意運動」「発熱、腰背部痛、胸痛」「間質性肺炎急性増悪」「けいれん重積状態」だった。

 保留の5件のうち2件は66歳と93歳男性の死亡一時金と葬祭料の請求で、否認の2件は77歳と63歳の女性の医療手当と医療費の請求だった。

 新型コロナワクチンに関しては今回の審議結果を含む累積の申請受理件数は4689件。うち認定件数は996件、否認件数は84件、現在の保留件数は29件となった。

 ちなみに新型コロナワクチン接種がスタートして10月17日で1年8カ月が経過。この間、3.27億回を超えるワクチン接種が行われ、厚労省には医療機関からだけでも3万4828件(9月4日まで)の副反応疑いと1881件の接種後死亡(同23日まで)が報告されている。

 同分科会は認定にあたっては、事例ごとに「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が、予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」との考え方に基づき審査しているとしている。

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