コロナ第8波に備える最新知識

コロナ感染者が再び増加中「サッカーW杯」をどう乗り切るか

過去の大会ではパブリックビューイングでも盛り上がっていたが…
過去の大会ではパブリックビューイングでも盛り上がっていたが…(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナ感染者が再び増えている。全国の新規陽性者数は10月10日の1万3040人から、11月3日には6万7473人となった。重症者数は134人から146人と微増だから、大慌てする必要はないが、年明けに学校や国家資格などの受験を控えている人、年末年始に老親の元に帰省する人にとって注意したいのが、11月20日に開幕し、12月18日に決勝を迎えるサッカーワールドカップだろう。

 テレビに飽き足らず、スポーツバーや屋内外施設でのパブリックビューイングによる観戦を予定している人も多いはずだ。騒ぎたいが、感染したくない。どうしたらいいのか? 公衆衛生に詳しい岩室紳也医師に聞いた。

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「今年の冬はインフルエンザとのダブル感染が懸念されています。両方に備える意味から、感染症対策の基本に戻ることが大切です。まずはエアロゾル対策。新型コロナはオミクロン株が主流ですから、エアロゾル対策が重要です。大勢で観戦するのなら空気の流れがある場所で、風下に立たないことが大切です。可能なら、携帯扇風機を持ち歩き、顔の横から風を送りエアロゾルを拡散させるといい。大声を張り上げて飛沫をまき散らす時は不織布マスクを着用しましょう」

 岩室医師が最近訪れた中学校では、窓は開けていたものの、教室に3台の扇風機が設置されているにもかかわらず稼働させていなかった。これではエアロゾル対策にならない。観戦するなら寒くても空気の流れをつくっている、換気がしっかりした店にした方がいい。

 オミクロン株の流行以降、あまり注目されなくなったのが飛沫がかかった食べ物。しかし、感染したくなければ注意することだ。

 動物実験により、感染リスクは数千から数万のウイルスを取り込んだ時に高くなる。空気中を漂うエアロゾルで感染するなら、ウイルスの塊である飛沫のかかった食べ物がより警戒すべき存在であるのは当然だ。

「みんなの飛沫がかかる大皿料理は手にしない、回し飲みしない、は基本中の基本です。誰もが手づかみするいわゆる乾き物にも注意したいものです。料理を作る人は不織布マスクが必須です」

 新型コロナは感染での症状もさることながら、後遺症も気になる。その実態はまだまだはっきりしないが、感染しなければ心配することもない。受験や帰省などで絶対に感染したくない人は、今年のサッカーW杯は自宅で静かに観戦し、君子危うきに近寄らず、でいることだ。

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