“コロナ明け”だからこそ注意したい健康トラブル<2>【性感染症】“彼女・彼一筋”でもリスクあり

梅毒患者が急増している(写真はイメージ)
梅毒患者が急増している(写真はイメージ)

 感染者数1万3000人で過去最多──。性感染症、梅毒の話だ。

 近年、梅毒患者が急増している。「毎日のように外来に梅毒の患者さんが来る」と話すのは、「プライベートケアクリニック東京 東京院」の小堀善友院長。

「梅毒は同性愛者に多い病気でしたが、現在は異性愛者(男女間)にもかなり見られます。性風俗従事者、性風俗利用者がまず感染し、パートナーが次に感染する。近年は、マッチングアプリで出会い複数人と関係を持つ人もいて、そこから広まる。コロナによるさまざまな制限から解かれることで、梅毒に限らず、クラミジア、淋菌などの性感染症は、今後より増えるのではないでしょうか」

 どの性感染症に“当たる”かは、言ってみれば運次第。「自分は大丈夫」と思うなかれ。小堀院長は「セックス経験がある人は、だれでも感染する可能性がある」と指摘する。

「性感染症は、性器から性器への感染だけではありません。性器から咽頭、咽頭から性器への感染もある。咽頭から咽頭へ感染し、そこから性器へ感染させるケースもあります。(ペニスを)挿入しなくても、コンドームを装着していても、オーラルセックスをすれば、感染リスクがあるのです」

「彼女・彼一筋」という人も、性感染症のリスクから逃れられない。

「性感染症は、自覚症状に乏しいものもあります。咽頭感染はまさにそうですし、性感染症の中で最も多いクラミジアは、無症状または軽症で本人が気づいていないことがあるのです」

 妊婦健診で、妻にクラミジア感染が判明。夫婦双方が「浮気をしていない」と主張--。どちらかが嘘をついていることももちろんあるが、そうではなく、過去の彼女・彼から感染し、無症状のため気付かずに至った、ということもあるのだ。

「『いつ、どこで、だれから』ではなく、『現在感染しているか』。一方が感染していれば、セックスパートナーも検査を。そうでないとピンポン感染を繰り返します」

 前述の通り、自覚症状だけに頼っていると感染を見逃すかもしれない。身に覚えがある人は別にして、交際相手(セックスパートナー)がかわったタイミングで性感染症の検査を受けることが望ましい。

 性器、咽頭のクラミジア・淋菌感染、HIV、梅毒、B型肝炎など、複数の性感染症を一度に、自宅で検査できるセット検査メニューもある。おおごとになる前に。

 コロナ禍では控えていたが、今年はキャンプ、バーベキュー、登山、ハイキングといったアウトドアを家族や友人と一緒に楽しみたいという人は多いに違いない。そんなせっかくのレジャーが台無しにならないように“毒虫”に気を付けたい。「巣鴨千石皮ふ科」(東京・豊島区)の小西真絢院長に聞いた。

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