2025年までに行われる医療改革で割を食う職種があります。深刻なのは臨床検査技師。血液検査や尿検査を主な仕事にしています。
しかしすでに供給が需要を大きく上回って深刻な就職難。せっかく資格を取っても、病院に就職できるのは5人に1人ともいわれているほどです。
今後は高度・一般急性期病院でしか必要とされなくなり、ますます需要が減り、就職難に拍車がかかるとみられています。
在宅医療で活躍できる場面もなさそうです。そのため遺伝子検査などに活路を求める動きもありますが、いまや機械であっという間にできてしまう時代。雇用の維持・拡大にどれだけ貢献できるかは疑問符が付きます。
放射線技師もかなり不利な状況に置かれます。CTやMRIは高度・一般急性期病院に集約されていきますから、全体の雇用は減ると予想されています。そこで在宅医療に進出しようという動きが出てきています。実は家庭や介護施設に持ち込める、ポータブルなレントゲン装置が開発されているのです。
ただ難しいのは、訪問看護師の指示に従って仕事をすることになりそうな点。いまのところ病院内で放射線技師と看護師はほぼ対等の立場。あるいは放射線技師のほうがやや上の病院も少なくありません。それが在宅医療になった途端に立場が大きく逆転してしまうため、心理的抵抗感はかなりのものです。
▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)
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