勤務歴も確認 「信頼できる町医者」見つける3つのポイント

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 自宅や職場で、急に具合が悪くなった。大学病院や総合病院に行くほどではないが、なんとかしたい。そんなとき、頼りになるかかりつけ医が近所にいればありがたい。信頼できる町医者を見つけるにはどうすればいいのか。

 現役世代が病院に行くケースは、風邪、花粉症、胃炎、水虫など、ありふれた病気が圧倒的に多い。大病院よりも、近所にあるクリニックや診療所の方がはるかにニーズが高いのだが、信頼できる町医者をどうやって探せばいいのかわからない人も多いだろう。当たりをつけるチェックポイントを「実はすごい町医者の見つけ方」の著者で、長浜バイオ大学バイオサイエンス学部教授の永田宏氏(医療情報学)に詳しく聞いた。

(1)迷ったら内科を探す

 まずは、インターネットやタウンページを使い、診療科目で病院を絞り込んでいく。といっても、自分の症状はどの診療科に該当するのかわからないというケースも多い。自分の病気がどんな病気なのかがハッキリわかっている場合は、いきなり専門科を選んでもいいが、迷ったらまずは「内科」に行けばいい。

「内科医であれば、『消化器』『循環器』『呼吸器』『腎臓』『血液』『神経』『内分泌・代謝』『アレルギー・膠原病』『感染症』といったサブ領域に該当する病気を一通り診ることができます。仮に重症であれば、大きな病院の専門医を紹介してもらえます」

(2)医師のプロフィルをチェックする

 クリニックや診療所を選ぶということは、医師を選ぶということ。だから、医師のプロフィルが重要になる。中でも、医師の「勤務歴」をしっかりチェックする。クリニックのホームページなどで、その医師がこれまでどんな病院にどれだけ勤めてきたのかを確認。これが、医師の信頼度を判断する材料になる。

 大学病院などの大きな病院に長く勤務していた医師は、自分の専門分野から外れるとからきし……なんてケースがある。たとえば、大学病院の呼吸器専門医なら、肺がんの患者ばかりを診ていたという医師も少なくない。そのため、ちょっとした風邪の対応があまりよくわからないなんてこともある。

「都心なら、100~200床くらいの規模の中小病院に勤めていた医師を選ぶのがいいでしょう。それくらいの規模の一般病院は医師の数も限られているため、一人の医師があらゆる患者を診なければなりません。より多くの患者や症例を診てきた医師の方が鍛えられていて、信頼できる可能性が高くなります。あまりにもはっきりしすぎている専門科目の資格を持っている医師も、自分の得意な分野の病気に引っ張られたり、別の分野だと頼りないケースがあります」

 総合診療は大学ではなかなか教えられないという。一般病院での経験がモノをいうのだ。

(3)豪華すぎたり最新機器が揃いすぎていないかを確認する

 クリニックや診療所を開業するには、多大な資金がかかる。都心のビルやマンションの一室を借りてスタートする場合でも数千万円、一戸建てで開業するとなると1億円を超えるお金がかかる。一戸建ての場合、親の代からのクリニックをキレイに見栄え良く改修しているケースも多い。

「あまりにも豪華でキレイすぎたり、最新の医療機器が揃いすぎている町医者には注意が必要です。中には、かかった資金を早く回収するために、それほど必要のない検査を数多くこなそうとする医師もいます。軽症の患者をたくさん抱えておくために、治療がおざなりになっている可能性もあります。診療に疑問を感じたら、別のクリニックを探しましょう」

 最後は、実際に医師と接してみて、自分とウマが合うかどうか。実はこれがいちばん重要かもしれない。

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