サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する

イライラの陰に糖質あり

 相談の内容の中でも多いのが職場のストレスです。特に、やたらと理不尽なことで怒る上司の話をよく聞きます。みなさんも、納得のいかない思いをしたことがあるのではないでしょうか?

 もし、上司のイライラが昼食以降に始まるようなら、糖質の多いランチが原因かも知れません。

 ある会社の社長秘書を務めるH美さん。「社長のキレやすさ」が相当なストレスになっているようでしたので、「社長はお昼に何を食べている? 間食はする?」と、質問をしました。

「時間がなく、たいてい菓子パンやおにぎりを食べています」とH美さん。“やっぱりね”と思い、その理由を説明しました。

 菓子パンやおにぎりの糖質は食べると急激に血糖値が上がり、急激に下がります。下がり過ぎた時、“脳にダメージが起こりそう”と体は判断し、何種類ものホルモンを慌てて動員させます。

 そのひとつに、アドレナリンというホルモンがあるのですが、このアドレナリンは別名「ファイトホルモン」。攻撃や怒り、または、身を守るための神経伝達物質です。

 戦うビジネスヒーローにとって、時には必要なホルモンですが、血糖の乱高下によりファイトホルモンが急激に分泌されイライラを引き起こすのです。

 食事内容によって精神のコントロールができなくなっているのに、そのイライラを「性格」と思われるのは非常に残念。H美さんには、社長の食事の時間がない時でも、血糖をゆっくり上げる糖質をアドバイスしました。具体的には、パンよりパスタ、白ごはんよりソバ。

 仕事に加え、食でのサポートもできるH美さんへの評価はグンと上がったそうです。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。