「新型栄養失調」という言葉を聞いたことがありますか? 1日3回食べているのに必要な栄養素が足らないこと。私の相談者にも新型栄養失調が当てはまる人がたくさんいます。
大事なのは、食事回数より、「何を食べているか?」です。ジャンクフードやラーメンなど高糖質で高脂肪の食事ばかりでは、エネルギー源は確保されても、体の機能を正常に動かし、新陳代謝を毎日正しく起こさせる材料が取れません。
現代人に足りていない栄養素のひとつが、ビタミンAです。医療の現場ではあまり指摘されていませんが、相談者のお話から特にそう感じます。
ビタミンAは、骨髄で血液がつくられる時に欠かせない栄養素。網膜に光を感じる「ロドプシン」の材料になり、また、失明のリスクを高める「加齢黄斑変性症」の予防にも不可欠です。目は第2の脳であり、目を守ることは脳を守ることにもなります。
しかし、なんといってもビタミンAの注目作用は、がん予防ではないでしょうか。細胞が毎日正常に分裂するのに、ビタミンAが関係しているのです。だから、がん予防に私が真っ先に勧めているのがビタミンA。がん家系は血中のビタミンAが少ないともいわれています。
ビタミンAにはレバーやアン肝、銀ダラ、うなぎなどの動物性(レチノール)と、カボチャや人参、ホウレンソウや柑橘系などの植物性(β―カロテン)があり、一番効率の良い摂取法は、両方同時に摂取すること。
アンコウ鍋や、タラや人参、ホウレンソウなど緑黄色たっぷりの水炊きをユズやダイダイなどのポン酢で食べる。カロテン吸収がアップするごま油をプラスしてもいいですね。
ビタミンAは、喉の粘膜を強め、風邪の予防にもつながります。意識して取ってくださいね。
サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する