昨年末、クライアントのお母さんの体調が急に悪くなりました。手足を思うように動かせなくなったのです。
救急で搬送された病院での画像検査では原因が分からず、再度3日後に違う病院へ運ばれると、脳腫瘍との診断。すぐ手術となったのですが、見つかったのは脳腫瘍ではなく“膿だまり”。そして膿の原因は、なんと口腔内の常在菌「ストレプトコッカス菌」でした。
本来なら、口腔内に存在する菌ですが、歯周病が進んだことで歯周ポケット(歯と歯茎の境目の深い溝)が8ミリと深くなり、口腔内の粘膜から血管に菌が侵入したのではないかと考えられました。お母さんの容体は、抜歯と抗生物質の治療で落ち着きました。
歯周病は口腔内だけでなく、全身へ害を及ぼします。糖尿病、循環器疾患や脳血管疾患、高齢者の肺炎などです。だから、自覚症状に乏しくても、しっかり対策を講じることが重要。歯磨きなどの口腔ケア、定期的な歯科医でのチェックなどが基本になりますが、私はさらに「噛むメニューを増やす」こともアドバイスしています。
なぜなら、口腔内の唾液が減少すると、粘膜が傷つき、細菌の防御ができなくなるからです。噛むメニューを増やせば、唾液がたくさん出るようになります。
アーモンドやクルミなどのナッツ類、カリカリ梅はコンビニでも購入できるので、手軽に取れて便利。キシリトール入りのガムを噛むのもいいでしょう。梅干し茶も、唾液の分泌を促します。
また食事メニューでは、赤身のステーキやポークソテーに、レンコンやゴボウなど根菜類をプラスすれば噛む回数が自然と増えます。
今年は“食の入り口”から健康を意識してみて下さいね。
サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する