男女問わず、多くの人が悩まされているのが便秘です。排便は体内の毒素を排出するという重要な働きがあるので、重大な問題といえます。
便秘薬として多用されているのが「酸化マグネシウム」(商品名:マグミット、マグラックス)です。ただし、他の薬との飲み合わせを考えなければなりません。最も有名なものは感染症の治療に使われる「抗菌薬」との飲み合わせです。酸化マグネシウムとある種の抗菌薬を併用することにより、抗菌作用が弱くなってしまうのです。
酸化マグネシウムとの併用で効果が弱まる抗菌薬には、「ニューキノロン系薬」(商品名:クラビット、グレースビットなど)や「テトラサイクリン系薬」(商品名:ミノサイクリンなど)があります。抗菌薬は、服用した後に腸から体内に有効成分が吸収されることによって、ようやく効果を発揮します。しかし、酸化マグネシウムは抗菌薬の有効成分と結合し、析出(ある物質の溶液からその物質が固体として現れる)してしまうという性質があります。これでは、抗菌薬の有効成分が腸から吸収されなくなり、適切な効果を発揮できなくなります。
また、市販の胃薬の中にもマグネシウムを含むものが存在するので、こちらも併用は避けてください。両者を服用しなければいけないときは、片方を服用して2時間以上経過した後に、もう片方の薬を服用するようにしなければいけません。
薬ではありませんが、牛乳に含まれているマグネシウムやカルシウムといった成分も、抗菌薬の作用を弱めてしまいます。薬は水で飲むようにしてください。
怖い薬の飲み合わせ