脂質異常症かどうかは、「LDLコレステロール値」「HDLコレステロール値」「トリグリセライド値(中性脂肪値)」で見ます。それぞれの基準値は、順に140(㎎/dl)以上、40未満、150以上となります。
近年重視されているのは「LH比」。「LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値」で、2.5以上はコレステロールのバランスが悪く、将来的に脂質異常症が起こる可能性が高いと考えます。
たとえば、LDLコレステロール値が120、HDLコレステロール値が40だとすると、LH比は3.0。つまり、LH比で基準値とされる値を超えています。
しかし、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値の数値を単独で見ると、どちらも基準値以内。ここで強調したいのは、コレステロールで大事なのはバランスであり、ひとつひとつの数値は問題なしでも、バランスの面から見ると問題がある点です。高すぎるLDLコレステロールに加え、低すぎるLDLコレステロールにも注意を払ってください。
対策として、中性脂肪を基準値以内に保つ食生活を送ること。コレステロールは食事の影響をほとんど受けないことが実証されていますが、中性脂肪は糖質やカロリーの過剰摂取で数値が上昇し、血液ドロドロを引き起こします。
中性脂肪を下げるのは簡単で、糖質の摂取量を下げることです。脂質の排泄に役立つ食物繊維が豊富な野菜を最初に食べ、その後に肉や魚、卵などのタンパク質、一番最後に糖質のご飯を少し口にする。
同時に、脂質を酸化させないビタミンA・C・E食材を多く取ってください。さらに、食べた油を乳化して胆汁から排泄を促すのに効果的なのは卵の黄身のレシチン。“コレステロールの呪縛”からのがれて、大いに食べてほしい食材です。
本当は危ない“正常値”を見逃すな