看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

がんと「リハビリ」は今や切っても切れない関係に

 がんも「リハビリ」がとても重要だということを知っていますか?

 がんのリハビリにはいろいろな種類があります。予防あるいは回復に関わる「手術前の身体機能を取り戻す手術前後のリハビリ」、化学療法や放射線療法を続けるための「維持的に行われるリハビリ」、そして、積極的治療ができなくなった時に行われる「緩和的なリハビリ」。いずれも、患者さんが自分らしくそれぞれの生活を送るための手助けをしてくれます。

 私が考えるリハビリの良いところは、ずっと担当者が代わらず、一定の時間、自分だけのために寄り添ってもらえることです。

 看護師は時には毎日担当が代わりますし、病棟が変われば顔触れも代わります。しかし、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ担当者は、基本的にほぼ代わりません。入院から外来通院になっても、病状によって病棟が変わっても一緒です。

 また、看護師はほかの患者から緊急のナースコールがあるとすぐにいなくなってしまいますが、リハビリ担当者は20分単位での実施時間を設けていますので、一定の時間はそばにいてもらえます。

 看護師の私が言うのは変ですが、さまざまな時期を一緒に過ごし、乗り越えてきたからこそ、患者さんやご家族とリハビリ担当者の信頼関係は強いのです。信頼できる人が一人でも多くそばにいる。これは、がんと笑顔で付き合っていく上で、とても大切です。

 医療機関によってリハビリ担当者の人数や提供体制が違う場合もありますが、がんとリハビリは切っても切れない関係になっています。