猛暑でも実は冷えている体の芯 “灸”温めればで楽になる

じんわり温まる
じんわり温まる(C)日刊ゲンダイ

 嫌になるほど暑い日が続く。体はじっとりと汗をかき、火照っているような感じだが、その感覚とは別に体の内部は冷えていて、その冷えが肩凝りや腰痛・頭痛、胃もたれ、下痢・便秘といった体の不調を引き起こしているかもしれない。

 南石鍼灸治療院の朴宰弘院長が言う。

「特に内勤のサラリーマンは冷房に当たる時間が長く、外に出たとき暑さで汗をかいても、体の芯は冷えていて、血管や筋肉が収縮し、自律神経が圧迫されているのです。その自律神経の乱れによって、諸症状が表れる。ところが、女性のような指先の冷えを感じず、汗をかき暑さを感じているため、冷え症の自覚はありません。それで、体の芯の冷えによる不調が見逃されやすいのです。そんな症状は、お灸で体の芯を温めれば、スーッとなくなりますよ」

 確かに記者は大の汗っかきで、取材で外回りをすると、シャワーを浴びたくらいビッショリに。だから冷え症の自覚はないが、夏は便秘気味で肩や首の凝りがひどいのがかねて気になっていた。そういえば、会社の席は冷房の吹き出し口の真下。冷気の冷えで体の芯が冷えたのか。

 では、どうするか。朴院長は「背中とお腹、脚に灸をすると効果テキメンです」と言うので、灸をやってもらった。背骨を中心に左右対称の12カ所に灸を据えて5分ほどか、すこーしずつ体の芯が温まってくる。「熱くなったら教えて下さい」と言われて、10分ほどで「熱い」と伝えると、灸の場所をズラす。そうやって灸の場所を変えながら20分やってもらうと、お腹の方までほわ~っと温かくなった。

 お腹も同様におへその周りに5カ所、脚も同様に膝の左右に1カ所ずつと足の裏に1カ所だ。

 やってもらっているときから血行がよくなったのか、体の軽さを感じた。一通り終わって立ち上がる、体がものすごく軽い。カメラマンいわく、「顔がツヤツヤ」。肩凝りも楽になって、その日はグッスリ熟睡。そして翌朝は、ちゃんとした便がスルッと出た。

「市販の灸は持続時間が1分ほどと短いので、灸を変えながら1カ所10分くらい温めるといい。2、3日に1回ずつやってみると、体の変化に気づくはずです」(朴院長)

 家でやるときに灸を置くポイントのツボは、背中の「腎兪」、お腹の「中院」「気海」「関元」、脚の「足三里」、そして足裏の「湧泉」だ。それぞれの場所は、ネットなどを参考にするといい。

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