看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

身体的な痛みの対処法は4通りある

 がんやがん治療に伴う「身体的な痛み」に対し、「がんに侵されている臓器が痛い」といったイメージを持っている方もいるでしょう。

 身体的な痛みは大きく4つに分けて考えられています。①がんが原因の痛み②がんに関連した痛み③がん治療に関連して起こる痛み④がん患者に併発したがん以外の疾患による痛み、です。といっても、分かりにくいでしょうから、具体的に説明しましょう。

 一般的なものが①です。がんが進行すると、骨や内臓にまで浸潤したり、神経を圧迫したり、脳腫瘍などでは頭蓋内圧亢進が引き起こされたりします。

 一般的な解熱鎮痛剤や医療用麻薬、その他の薬物治療などで緩和をします。

 ②は、リンパ浮腫、便秘、口内炎などがんに関連して2次的に引き起こされるもの。予防的なケアや症状を緩和する手段がたくさんあります。

 ③は、手術、抗がん剤、放射線の「がんの3大治療」による合併症や副作用全般です。治療や検査のための採血、注射の痛みも含まれます。

 そして、④はもともと持っている基礎疾患による症状。頭痛、骨関節炎、股関節痛などです。

 つまり、単に「身体的な痛み」といっても内容はさまざまで、対処法もそれぞれ違います。ここをしっかり押さえていれば、痛みの種類によっては予防的に軽減を図ることも可能でしょうし、適切な処置を施せます。つらい状況を少しでも減らせるのです。

 がんには、どんな痛みがあるのか? 参考にしてください。