原因は姿勢の悪さ 一人でできる「首凝り」3つの撃退法

横向きに寝たときには一直線に
横向きに寝たときには一直線に(提供写真)

「ひどい肩凝りで、もむと痛い」「慢性的に頭痛がする」「夕方になると、肩ばかりか目の奥も痛い」――こんな症状を訴えるサラリーマンは少なくない。彼らの大半は連日の残業で、帰りの電車ではクタクタ、土日に寝だめしても疲れが取れない……といった“疲労スパイラル”に陥った人々だ。

 とりわけ、肩凝り、首凝りに悩む40代、50代男性は多い。「首姿勢を変えると痛みが消える」の著者で、神奈川県相模原市にある「16号整形外科」の山田朱織院長が言う。

「痛みや凝りがどの部分に出るかで肩凝りと首凝りを分けていますが、どちらも原因は頚椎の異常です。これが一番多い。では、何が悪いかというと、ひとつは首の骨の病気です。質が悪くなっていたり、椎間板や肩の関節が悪くなって症状が出るのです。四十肩や五十肩が典型ですね。これは医者が治療するしかない。もうひとつは、姿勢の悪さに起因するケース。首の姿勢が悪くて痛みが出るんです。つまり、姿勢を正すと症状を軽くできるのです」

あお向けに寝たときは約15度に
あお向けに寝たときは約15度に(提供写真)
自分でやれる3つの改善策

 医者にも頼らず自力で姿勢を改善する方法は次の3つ。

 これをマスターすれば、マッサージに通ったり、子供に肩たたきをしてもらったりしなくても肩や首は軽々で、快適に過ごせるという。何をどうやればいいのか?

■枕の調節

「対策その1は、寝ているときの姿勢をよくすることです。そのために“玄関マット枕”を作ります。玄関マットをZ形に折り畳み、その上に同じ幅に折り畳んだタオルケットを乗せる。枕にして横向きに寝たとき、ひたい、鼻、あご、胸の真ん中までが一直線になるようにタオルを足すなどして、高さを調節してください」(山田院長)

 呼吸がしやすく、あおむけで寝返りを打つときコロコロと左右に回れるのが適度な高さだという。

■立ち姿勢&イスの座り方

 首凝りの人は長時間のパソコン作業に加え、スマホのやりすぎなどで猫背になっている人が多い。

 前かがみ、つまり首がカラダより前に出た姿勢になっているのだ。

「立っているときは真っすぐに立ち、首から骨盤まで一本の軸が通ったような姿勢を心掛けることです。私は“重心線”と呼んでいますが、頭のてっぺんにりんごを乗せて落ちない姿勢です。あごをひき、胸を開き、お腹を引っ込めるイメージ。電車の中などでは、この姿勢を心掛けましょう」(山田院長)

■1分ストレッチ

「会社でデスクに座ったままできる首から肩にかけてのストレッチを毎日やり続けてください」(山田院長)

 やり方は、こうだ。

イ…後頭部に両手を当て、へそをのぞきこむように首を前に倒す。10秒間×2回
ロ…正面を向いて右手を頭の上から左側のこめかみに当て、手を引く感じで首を真横に倒す。10秒間×2回
ハ…胸に両手を当て喉の皮膚が伸びるように引き下げる。同時に首を後ろに倒す。10秒間×2回

 合計1分間の体操だ。まずは、この連休から始めてみよう。

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