中野ジェームズ修一さん直伝 糖尿病対策5分トレーニング

普段着で、どこでもできる
普段着で、どこでもできる(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病をはじめとする生活習慣病対策には運動が必須だが、運動する時間がない人も多い。しかし、ぴったりのトレーニング法を、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんが考案した。

■糖を使いつつ筋肉をつける

 中野さんは運動生理学を勉強していた当時、指導教官から「運動指導者になりたいなら、タクシードライバーにどう運動させるかを考えなさい」と言われたという。タクシードライバーは運動する時間を取りにくい職業のひとつ。アスリートだけに指導しているのでは真の運動指導者になれない、という意味だ。

 今回、タクシー会社「日本交通」のドライバーに向けての糖尿病予防を含めた健康維持のための啓発運動を考案。成果の出る運動指導として米国スポーツ医学会は「健康維持のため1日30分の運動が毎日必要」としているが、「運動をできる時間は5分くらい」との要望だった。

 30分必要なものを5分に縮めるのは正直無理、と思いつつ、中野さんは試行錯誤して、5分間で糖尿病予防にも効果がある強度と回数を備えたトレーニングを考案した。

「重い筋肉を使うほど糖が使われます。だから人間の70%の筋肉が集中する下半身を動かす。股やお尻回りをたくさん使うトレーニングです。同時に筋肉もつくります」

 5分とはいえ、実際に行った人が「足がつりそう」と言ったほどハード。しかし、足がつりそうになるのは体力が低下している証拠。さらに、筋肉をつくるにはきつい動作が必須。楽チンな動作では筋肉はつくられない。

■仕事の合間に簡単にできる

 早速、やり方だ。回数はすべて10回ずつで、(1)~(7)を2セット、リズミカルに行う。

(1)足を左右、肩幅に開く。爪先を外側に向け、膝が爪先より前に出ないようにお尻を後方に引きながらスクワット(写真A)

(2)右足は前、左足は後ろ。右足に体重の7割以上をかけ、スクワット

(3)右足は前、左足は後ろのまま、左足を90度以上に曲げて持ち上げる(写真B)

(4)右足は前、左足は後ろ。体を沈み込ませ(写真C)、体と一緒に左足を90度以上に曲げて持ち上げる

(5)①のスクワット

(6)左右の足を入れ替えて②~④

(7)①の姿勢でスクワット↓立ち上がった時に片足を左右交互に上げ、両手で膝をタッチ

「疲れたからやめよう、はナシ。疲れるのは体力が衰えているからで、やらなければますます体力が衰えます。疲れることをやって体力をつければ、次第に疲れなくなります」

 そのためには、この5分間のトレーニングを日常生活のルーティンに入れること。それが継続のポイントだという。

▽中野ジェームズ修一
 米国スポーツ医学会認定運動生理学士、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。福原愛、伊達公子らから支持されている。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導担当。

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