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医師が指南 薬が効かない高血圧を確実に下げる3つの方法

血圧が目標値まで下がらない…
血圧が目標値まで下がらない…(C)日刊ゲンダイ

【Q】 薬を飲んでいるのに血圧が思うように下がりません。何が悪いのでしょうか?  (60代男性)

【A】 もし、3種類以上の薬を飲んでいるのに血圧が目標値まで下がらないようなら、主に3つの理由が考えられます。

 1つ目の理由は、薬が適切ではない。

 私は高血圧を「ギュウギュウ型」と「パンパン型」に分類しています。前者は血管を締め付ける物質が増えて、血管の壁に過度に圧がかかっている。一般的に40~50代の高血圧がこれです。

 一方、60代半ば以降は「パンパン型」。血中の塩分が増え、それを薄めようと水分が血管に入り込み、心臓が過剰な水分を腎臓から尿として押し出すことで、血管が腫れて血圧が上がる。

 ギュウギュウ型なのにパンパン型の薬を飲んでいたら、効果を思うように得られません。相談者は60代とのことですので、もしかしたら薬の見直しの時期にきているのかもしれません。

 2つ目の理由は、強いストレス(緊張)です。「白衣高血圧」「職場高血圧」といった言葉を聞いたことがありますか? 普段はそれほどでもないのに、診察室や職場など緊張が高まる場所では血圧が高くなることをいいます。それほど緊張と血圧の関係は密です。

 最近は、家庭にいる時に血圧が上がる家庭内高血圧も増えていると聞きます。職場や家庭で血圧を測定し、普段の血圧との差を調べてください。

 3つ目の理由は、「原発性アルドステロン」。副腎に腫瘍ができるなどしてホルモンの一種であるアルドステロンが過剰分泌され、血圧上昇を招きます。従来の高血圧(本態性高血圧)と原発性アルドステロンを併発している人も少なくありません。

 血液検査でアルドステロン濃度と血圧上昇の酵素レニンの活性を測定し、比率を調べれば分かります。治療は手術やアルドステロンの作用を抑える薬物投与になります。

 なお、目指すべき血圧は年齢や合併症で違います。家庭で測定する血圧の場合、75歳未満は135/85(㎜Hg)未満。75歳以上では145/85未満。糖尿病の人は脳卒中などのリスクが高いため、より低い125/75未満が目安になります。

(東京都健康長寿医療センター・桑島巌顧問)

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