健康寿命トップ 山梨と愛知が元気な理由を医学博士が分析

山梨出身の田原俊彦(上)とレミオロメン
山梨出身の田原俊彦(上)とレミオロメン(C)日刊ゲンダイ

 男は山梨、女は愛知――。厚労省が発表した健康寿命が話題になっている。健康寿命は介護を受けたり病気で寝たきりになることなく、自立して生活できる期間のこと。2016年度の男性の1位は山梨県で73.21歳。女性は愛知県で76.32歳だった。

 この結果について厚労省や自治体は理由に関するコメントを出した。男性トップの山梨県については県民が野菜のほかアジ、イワシなどの魚をよく食べ、がん検診をちゃんと受けるなど健康意識が高いこと。山梨県の日照時間が長いことや、地域ごとにお金を出し合って旅行や飲み会をする「無尽」という活動が盛んなことも健康の理由という。

 医学博士の米山公啓氏によると、健康寿命は主にがんによる入院や脳梗塞などでの半身不随、骨折で短くなるそうだ。山梨の健康理由を解説してもらった。

「野菜に含まれる葉酸は認知症を防ぐ効果があり、アジなどの光り魚は動脈硬化を予防します。長時間日光を浴びると体内のビタミンDが活性化して骨が強くなる上に気分を前向きにするセロトニンの分泌が増える。自然に恵まれた田舎暮らしはストレスをためこまない生活ができるので健康維持が可能。無尽は仲間と交流することで認知症を予防し、健康情報の交換もできるメリットがあります」

 一方、愛知県は県の東部でミカンづくりが盛んなことと温暖な気候が理由に挙がっている。スポーツ教室に参加するとポイントがたまって飲食店などで使える「あいち健康マイレージ」の存在も大きい。

「ミカンに含まれるビタミンCは認知症予防効果があります。スポーツは長生きの秘訣ですが、健康が目的の人は三日坊主に終わりがち。ポイントがつくとモチベーションが上がるので続けられます。温暖な気候は体を冷やさずにいられるということ。他の地域の人は冬場などに厚着をして体温を維持するよう心がけてください」(米山公啓氏)

 元気に生きるために山梨と愛知の両県民に学びたい。

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