ダルや松坂も幼少期に実践 裸足と運動神経の不思議な関係

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 イチロー、松坂大輔、杉山愛ら多くの一流アスリートは幼少期に裸足で遊んだり、毎日のようにマッサージを受けるなど絶えず足裏を刺激する生活を続けていたという。

 果たして、運動神経と裸足とは関係があるのだろうか? 鹿屋体育大学の西澤昭特任教授が言う。

「可能性はあります。毎日裸足ランニングを実施している長崎県内の小学校で2年、4年、6年の児童83人を対象に調べたところ、土踏まずは2年生で94%が形成され、体力テストは学年が上がるにつれ県平均を上回りました。裸足で活動することで、足の裏のメカノレセプターと呼ばれる受容器が刺激され体のバランスが良くなった可能性があります。そのことで足の裏の筋肉が発達。走る、跳ぶ、投げるといった運動能力に関係する、足の指の動きが良くなったのだと思います」

 裸足教育を実践している幼稚園で調査したところ、親指と小指を自分の力で広げる能力が高かった。

■風邪対策にもなる?

 子供の運動教室を展開するウィンゲートキッズの遠山健太氏も言う。

「裸足で運動遊びをすることは子供の運動能力にプラスに働きます。走ったり跳んだりする動作は足で地面をしっかり蹴らなくてはいけません。裸足で過ごすことによって足指が自然と使われて足裏の感覚が養われます。最近よく見かけるのは、合わないサイズの靴を履いていることです。足の機能が失われないように、靴は慎重に選んだ方がいいでしょう」

 子供はすぐに成長するからといって大きめの靴を履かせるのはNG。事前に足のサイズを測り、成長に合った靴を選ばないと運動能力が低下する可能性が高まるという。

 ちなみに裸足だとケガが多く、感染症になりやすいイメージがあるが、必ずしもそうではない。

 福岡県内の幼稚園では裸足教育が始まった年以降、園児数が変わらないのにケガの件数は減ったという。宮崎市内の小学1年生61人を裸足、ときどき裸足、靴にわけて、風邪の罹患状況を調べたところ、裸足群は8カ月で7.23日風邪をひいたが、靴群は16日だった。

 親が安全を確保したうえで、子供は裸足で遊ばせた方がよさそうだ。

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