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足がよくつる原因と対策を知りたい…背後に意外な重大病も

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

【Q】寝ている時によく足がつります。長時間歩いた日になることもあれば、一日中オフィスで過ごした時になることも。どうすれば足がつらなくなりますか? (30代・女性)

【A】足がつる、つまり一般的にいう「こむら返り」は、神経や筋肉が刺激を受けやすい状態で起こります。また、筋肉の新陳代謝の機能不全が原因で起こることも。

 立ち仕事や久しぶりに運動した後は、足の筋肉が緊張している状態が長時間続くため、筋肉や腱のセンサーがうまく働かなくなり、異常な収縮が引き起こされて足がつります。

 また、多量の汗をかいた時は血液中の電解質のバランスが崩れて神経や筋肉が興奮しやすく、足がつる原因となります。

 睡眠中によく足がつる原因は、発汗や冷えによる血流の低下。夜間は気温が低く、体が冷える上、就寝中は体幹部に血液が集まって、手足は血液が少ない状態となります。このため、睡眠中は筋肉の血流が悪くなり、筋肉が収縮しやすくなるので、足がつりやすくなってしまうのです。

 加齢も原因に。筋肉量低下でミネラルやビタミンなどの栄養分の補給がうまくいかなくなり、それほど運動をしていない生活でも、筋肉に疲労が生じ、足がつるリスクが高まります。

 頻繁に足がつる場合は、病気が潜んでいることも考えられます。腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、糖尿病や腎不全。下肢静脈のうっ血や閉塞性動脈硬化症などです。特に閉塞性動脈硬化症は足を切断しなければならないケースもあるため、放置せずに受診することをお勧めします。

 最後に予防法を。こまめに水分補給(お茶も可)をする。日頃からビタミンやミネラルを意識して取る。睡眠中に足がつりやすい人は、就寝前にストレッチを行う。冷えが原因の場合は、ゆっくり湯船に漬かって体を温め、マッサージするのもいいでしょう。

 加齢や運動不足によって筋力低下がある人は、普段の適度な運動が大切です。

(国際医療福祉大学熱海病院・〆谷直人教授)

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